2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞の分化制御による新生児脳白質障害の予防・治療に関する研究
Project/Area Number |
15591155
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
常石 秀市 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (10271040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 直樹 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20314487)
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Keywords | アポトーシス / カスペース-3 / 低酸素性虚血性脳障害 / BAF / カスペース阻害剤 / Morris水迷路 |
Research Abstract |
グリア分化制御による脳障害防止機序の作用点としてのアポトーシス神経・グリア細胞死の評価方法の検討として、アポトーシス実行酵素であるカスペースの阻害薬によるアポトーシス抑制を低酸素虚血脳障害(HIE)幼若ラットモデルにおいて試み、中〜長期予後としての空間学習能力評価を実施した。 HIEモデルラットの脳室内へカスペース阻害剤(BAF)を、8%酸素2.5時間の低酸素虚血負荷直前の1回、あるいは負荷直前と負荷後12時間の2回投与した。負荷後24時間での海馬組織中カスペース-3活性は、BAF1回投与ではvehicle群の20%以下(p<0.02)、2回投与では35%に抑制された。各群の非障害側の活性はvehicle群障害側の10%未満であった。 5週齢にモリス水迷路テストを実施したところ、sham群では1日目の4試行ですでに学習効果が現れはじめ、4日目には1日目の25%の時間で目標へ到達した。vehicle群、BAF群はいずれも1日目の70%程度までの短縮に留まった。Rora-rod回転板テストでは各群の運動能力に有意差は認められず、運動能力が水迷路成績に影響していないことを確認し、本HIEモデルが高次脳機能の評価に適していることを証明した。 BAF投与による治療は目標到達時間の短縮、すなわちHIEによる空間学習能力の喪失を防止できなかった。負荷後24時間でのカスペース-3活性は十分抑制していたことから、アポトーシスよりも微少なネクローシスやシナプス形成障害などによる高次脳機能障害が原因として考えられた。
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Research Products
(2 results)