2003 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光による脳内血液量の周期的変動を指標とした新生児の新しい脳機能検査法の研究
Project/Area Number |
15591158
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
磯部 健一 香川大学, 医学部, 助教授 (00159815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 興 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (40284369)
難波 正則 香川大学, 医学部, 助手 (90237636)
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
大久保 賢介 香川大学, 医学部, 助手 (80335851)
|
Keywords | 脳内血液量 / 周期的変動 / 新生児 / 近赤外線分光装置 / 光トポグラフィー / 酸素化ヘモグロビン / 脱酸素化ヘモグロビン |
Research Abstract |
新生児・未熟児において中枢神経障害を来す疾患は、脳内の酸素代謝異常即ち脳エネルギー代謝異常に起因するので、病態の解明と予防法の確立には脳内の酸素化状態と循環状態をモニターすることが重要である。今年度の研究では、光トポグラフィーを用いて、頭蓋内病変を有しない正常な早産児と正期産児の脳内ヘモグロビン濃度の自然な変動を自然睡眠時に測定し、変動周期を検討した。 (対象及び方法)正期産児10例(在胎週数37〜40週、出生体重2358〜3400g、測定日齢2〜12)と早産児5例(在胎週数31〜34週、出生体重1662〜2048g、測定日齢36〜73)。光トポグラフィーを用い、左右の側頭部に12チャンネルの6×6cmのプローブを装着し、静睡眠時に約10分間連続測定し、酸素化ヘモグロビン(oxyHb)と脱酸素化ヘモグロビン(deoxyHB)の周期的変動について早産児と正期産児を比較検討した。 (結果及び考察)正期産児の左右側頭部のoxyHbとdeoxyHBの周期的変動は、各々左側が3.1±0.6、2.9±0.5サイクル/分、右側が3.1±0.6、2.9±0.6サイクル/分で、早産児のそれらは、左側が3.9±0.6、4.1±0.7サイクル/分、右側が4.0±0.6、4.1±0.6サイクル/分で左右差は認められなかった。正期産児と早産児の比較では、正期産児の方がoxyHb、deoxyHBの周期的変動は有意に少なかった。早産児の測定時の修正在胎週数は38〜41週で、正期産児と有意差は無いので、この現象については不明であるが、この日齢の早産児では血液ヘモグロビン濃度が低下しているので、脳活動のための酸素供給をサイクル数の増加で補っている可能性が考えられる。 今後、未熟児症例数を増やすと共に、中枢神経障害を来す疾患について検討する。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kusaka T et al.: "Measurement of cerebral optical pathlength as a function of oxygenation using near-infrared time-resolved spectroscopy in a piglet model of hypoxia."Opt Rev. 10. 466-469 (2003)
-
[Publications] Kusaka T et al.: "Noninvasive optical imaging in the visual cortex in young infants."Hum Brain Mapp. 22. 122-132 (2004)