2003 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中期ヒト胎児肺の構造分析からみた生育限界と低形成肺の病態に関する研究
Project/Area Number |
15591161
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00193194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛彈 麻里子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276306)
|
Keywords | 生育限界 / KL-6 / 慢性肺疾患 |
Research Abstract |
本研究は、妊娠21週流産児を中心とした"生育"限界付近の児の肺上皮細胞を形態学的・生化学的に分析し、妊娠21週児が生育する可能性、"生育"限界の指標となりうる肺成熟マーカー、を検討することを主目的として開始された。現在まで、胎児肺上皮細胞のmaturationのマーカーとしてKL-6の妥当性について検討してきた。今年度は引き続き、超早期産児の合併症として多い新生児慢性肺疾患のマーカーとして利用されているKL-6の動態について分析した。 血清KL-6は成人の間質性肺炎のマーカーとしてのみならず、新生児慢性肺疾患の病勢マーカーとしても有用である。しかし、その機序については不明な点が多い。今年度、in vitroの実験系を用いてどのような因子がKL-6の産生に影響を及ぼすか、胎内感染、高濃度酸素環境、メカニカルストレスなど新生児慢性肺疾患のリスクファクターとして知られている因子を中心に検討した。 まず、NCI-H441細胞が恒常的にKL-6を発現していることを確認した。その後、IL-6,TNF-aなどの炎症性サイトカイン、高濃度酸素、過酸化水素水、振動刺激などを加え、H441細胞のKL-6産生がどのように影響されるか検討した。その結果、肺上皮細胞におけるKL-6産生は、胎内感染により増加する。この機序には炎症性サイトカインが関与する。 高濃度酸素環境により増加する。 メカニカルストレスによって増加する。 ことが示された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Tanigaki S, Miyakoshi K, Tanaka M, Hattori Y, Matsumoto T, Ueno K, Uehara K, Nishimura O, Minegishi K, Ishimoto H, Shinmoto H, Ikeda K, Yoshimura Y: "Prediction of pulmonary hypoplasia : The ratio of fetal lung volume obtained by magnetic resonance imaging to ultrasonographically estimated fetal body weight"Radiology. (in press). (2004)
-
[Publications] Ikeda K, Matsuzaki Y, Hayashida S, Mori K, Hokuto I: "Why is the serum KL-6 level increased in chronic lung disease of the newborn? - the relation between risk factors and KL-6 production in pulmonary epithelial cells in vitro -"Am.J.Respir.Crit.Care Med.. (in press). (2004)
-
[Publications] Mori K, Matsuzaki Y, Kurihara N, Tokieda T, Ikeda K, Tanaka T: "INTRAUTERINE EXPRESSION OF KL-6 DURING MID-TRIMESTER COMPARED WITH THE EXPRESSION OF SURFACTANT PROTEINS"Pediatr Res. 53・4. 435A (2003)