2004 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中期ヒト胎児肺の構造分析からみた生育限界と低形成肺の病態に関する研究
Project/Area Number |
15591161
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00193194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛彈 麻里子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276306)
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Keywords | 胎児 / 低形成肺 / atypical cilia / FGF |
Research Abstract |
1.今年度も引き続き妊娠中期流産児あるいは新生児早期死亡児の病理解剖例の集積を行うとともに、lobectomyを行った外科手術症例の検体集積も行った。 2.(1)妊娠中期流産児の気管・気管支上皮細胞を透過型電子顕微鏡によって観察し、ciliogenesisの完成した直後の胎児期におけるatypical ciliaの出現率に関するデータを得た。妊娠21-22週胎児線毛におけるatypical cilia出現率は2.4%で、compound ciliaが最も多かった。 (2)また、atypical ciliaの出現率が加齢に伴い増加するか否かを、実験動物(マウス)を用いて検討した。妊娠17.5日目のマウス胎仔の気管線毛におけるatypical cilia出現率は1.8%、月齢24ヶ月のマウスでは4.2%、と加齢によりその出現率は増加した。 以上より、ヒト、マウスともに胎児期のatypical cilia出現率は成人に比し有意に少なく、加齢マウスにおけるatypical cilia出現率はRossmanらの成人における報告と差がないことから、atypical ciliaの出現率は加齢により影響されると考えられた。しかし一方で、胎児においてもatypical ciliaの出現は無視できるものではないことがわかった。今回のデータは、primary ciliary dyskinesiaが疑われる胎児症例の診断に有用であると考えられた。 3.胎児低形成肺におけるFGFの役割をFGFレセプター発現の面から解明するため、母獣にnitrofenを投与して作成した実験的低形成肺におけるFGFレセプター-1.2.3.4.の発現をそれぞれ免疫染色によって検討した。perinatal periodに発現するFGFレセプター-1.2.3.の発現はいずれも低下していた。
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Research Products
(2 results)