2005 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中期ヒト胎児肺の構造分析からみた生育限界と低形成肺の病態に関する研究
Project/Area Number |
15591161
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00193194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛彈 麻里子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276306)
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Keywords | 生育限界 / 成育限界 / 肺低形成 / atypical cilia / ラクトフェリン / 超低出生体重児 |
Research Abstract |
今年度も引き続き妊娠中期流産児、新生児早期死亡児の病理解剖例、肺葉切除を行った外科手術症例の検体集積を行った。 また、以下の研究成果を海外の学会において発表した。 1.(1)妊娠中期流産児の気管・気管支上皮細胞を透過型電子顕微鏡によって観察して得たciliogenesisの完成した直後の胎児期におけるatypical ciliaの出現率に関するデータ、(2)atypical ciliaの出現率が加齢に伴い増加するか否かを、実験動物(マウス)を用いて行った検討: 胎児期においても一定の割合でatypical ciliaが出現する、ことを提示した。 2.ラクトフェリン前投与が実験的緑膿菌肺炎を予防できるか否かについての検討 ウシラクトフェリン10micro g緑膿菌投与前約1-2時間前に投与して、24時間後の症状、肺ホモジェネートの菌定量、気管支肺胞洗浄液中(BAL)の細胞分析、脾臓ホモジェネートにおける菌定量を行った。緑膿菌投与24時間後の症状、肺ホモジェネートの菌数、気管支肺胞洗浄液中(BAL)の細胞分析、脾臓ホモジェネートにおける菌数、いずれもラクトフェリン投与群と非投与群の間に有意差を認めなかった。Akinbiらは、ヒトリゾチームを気道内に前投与して緑膿菌肺炎に対する予防効果を示している。今回の検討は、緑膿菌感染予防効果に関する限り、リゾチームの有用性のほうがラクトフェリンより高い可能性を示唆する。 3.東京女子医大周産期母子医療センター仁志田博司教授との共同研究により、2002-2004年に日本国内で妊娠22-23週出生した超早産児と500グラム未満で出生した超低出生体重児のアンケート調査について検討した。妊娠22週出生児の生存率が31.1%、妊娠23週出生児の生存率が56.3%、妊娠週数に関係なく500グラム未満で出生した児の生存率は43.1%であった。
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Research Products
(2 results)