2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤アレルギーにおけるT細胞の機能と役割に関する研究
Project/Area Number |
15591173
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
橋爪 秀夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50237921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧川 雅浩 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80115873)
八木 宏明 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20242779)
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Keywords | T細胞 / 薬剤アレルギー / サイトカイン / ヘルペスウィルス / ケモカイン |
Research Abstract |
1.薬剤過敏症候群(DIHS)は、薬剤アレルギーとヒトヘルペスウィルスの再活性化を伴う、重症型薬疹である。本患者の末梢血単核細胞を調整して経時的に調べた結果、いずれも症状の経過中に免疫学的異なる2相が認められた。すなわち皮疹発症早期にCD4陽性細胞の活性化を認め、遅れてCD8陽性細胞の活性化がみられた。また、経過中に制御性τ細胞と思われるCD4+CO25+CTLA+細胞数の減少を認め、これはCD8陽性細胞の活性化とほぼ同時にみられた。皮疹の極期の患者から、CD4陽性細胞とCD8陽性細胞を調整し、その細胞がどのような抗原に反応するのかを解析した。原因薬剤刺激による増殖反応およびサイトカイン産生は、CD4陽性細胞にのみ起こり、CD8陽性細胞には見られなかった。また、CD8陽性細胞のT細胞受容体のレパートリーを調べると、サイトメガロウィルスの主要ペプチドであるpp65反応性細胞障害性T細胞と同一のVβ鎖の増殖が認められ、このCD8陽性細胞は再活性化したウィノレスに反応する細胞であることが示唆された。これらの結果から、DIHSの病因には、薬剤反応性のCD4陽性細胞と、引き続いておこった再活性化したヘルペスウィルス反応性のCD8陽性細胞が関わっていることが明らかになった。現在、本患者2名の末梢血単核細胞から薬剤反応性T細胞クローンまたはラインを作成し、解析中である。 2.発熱とともに全身に好中球性膿疱を生じる重症型薬疹として急性膿庖性皮疹(AGEP)がある。本疾患の既往のある3名から末梢血単核細胞を調整し、それぞれ原因薬剤に対して反応するT細胞クローンまたはラインを作成し、その特性を検討した。得られた細胞は、CD4またはCD8陽性で、T細胞受容体に偏りは見られなかった。殆どがCXCR-3を発現していた。これらの細胞は、IFN-γ以外に、TNF-αとIL-8を産生しており、皮膚への好中球浸潤などの臨床症状を反映していると考えられた。
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Research Products
(7 results)