2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591178
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
武藤 正彦 山口大学, 医学部, 教授 (40175625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱本 嘉昭 山口大学, 医学部, 助教授 (90238080)
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Keywords | HCR / KIR / HLA / 免疫応答性 |
Research Abstract |
乾癬の病因・病態を解明するために、本研究計画では、連鎖解析および相関のデータに基づき、複数の候補遺伝子の変異解析を通して、乾癬の疾患感受性候補遺伝子を見出すことを目的とする。これまでにわれわれはHLA、KIR、DR3レセプターについて解析を行った。その結果、HLAが乾癬と強い相関を示すのかをHLAクラスI遺伝子、KIR遺伝子の巧妙な組み合わせの違いによることを世界に先駆けて明らかにした。しかもこのKIR多型性は乾癬の治療薬のひとつであるシクロスポリン治療反応性と相関することを世界で最初に明らかにした。 今年度はHLAと連鎖するHCR遺伝子について日本人集団にて多型解析を行った。HCR遺伝子はケラチノサイトの分化・増殖に関与すると推測されている遺伝子であり、海外では乾癬患者群においてHCR遺伝子のSNPs変異が有意に認められるとの報告がされている。われわれの日本人集団における解析では、患者群と健常者群で明らかな有意差は認められなかったが、HCR遺伝子のSNPs変異はHLAとの連鎖に基づく連鎖不平衡によることが推測された。HCR遺伝子の機能解析については行っていないが、今後機能的な側面からも解析が必要と考えている。現在、日本より臨床研究が進んでいる乾癬治療のための生物製剤(インフリキシマブ他)の治療応答性の差がこのHLA-KIRのレベルに存在するのではないかとの期待のもと、独ドレスデン工科大学皮膚科(M.Meurer教授)の症例についてHLA-KIRゲノム多型解析を当教室で行うことで現在、その準備を進めている。この研究結果は、今後わが国で普及せんとしている同様の生物製剤の開発にとり、極めて有用なゲノム情報を供し得るものと考えている。
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Research Products
(5 results)