2003 Fiscal Year Annual Research Report
トリクロロ酢酸とフェノールの皮膚組織への傷害性と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
15591188
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山本 有紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90316117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上出 康二 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50176608)
古川 福実 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40156964)
山本 有紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90316117)
貴志 知生 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10336878)
大谷 稔男 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10326366)
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Keywords | ケミカルピーリング / トリクロロ酢酸 / フェノール |
Research Abstract |
1:ケミカルピーリングにおけるグリコール酸の効果 ケミカルピーリングの機序として、皮膚のバリア障害により生じるサイトカインによる作用と、試薬のメラノサイトや線維芽細胞への直接作用がin vitroの実験で報告されている。試薬の作用を人皮膚で確認するために、同じ濃度、pHに調節した、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酢酸を長期塗布し、組織学的及び免疫組織学的に検討した結果、グリコール酸と乳酸で、表皮肥厚、メラニンの減少、真皮膠原線維の増加、コラーゲン1、プロコラーゲン1の増加を確認した。 2:トリクロロ酢酸とフェノールの人皮膚に及ぼす影響 塗布することによる皮膚への進達度や組織学的変化を、成人皮膚を用いて検討した。塗布後、2時間,6時間,12時間,1,2,7日目に皮膚を生検して、ケラチン6,7,10,16、インテグリン、カドヘリン等の免疫染色を行って、創傷治癒の経過をみた。TUNEL法で、真皮血管や表皮細胞のアポトーシスの動態をみた結果、フェノールでは早期より、真皮血管内皮細胞に発現し、トリクロロ酢酸では表皮細胞に発現したことから、今まで同じ作用として考えられていた2つの試薬の機序が異なることを明らかにした。なお、トリクロロ酢酸は、日常的に頻用される40または60%を用い、フェノールは、無水性のものを用いた。 3:皮膚悪性腫瘍に対するケミカルピーリング治療の効果 外科的処置が出来ない皮膚癌の患者に治療として行い、経過を観察した。治療後1〜3年の経過観察で、完治が可能であると考えられるのは、日光角化症、ボーエン病、表在性の基底細胞癌の患者で、また、その中で治療を中止し、外科的処置をする必要性を認めた4症例(日光角化症2例、ボーエン病2例)を病理組織学的に検討中。
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[Publications] 古川福実, 山本有紀: "【皮膚疾患治療のポイント】ケミカルピーリング治療指針"臨床皮膚科. 57・5増. 104-109 (2003)
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[Publications] Wakita H, Yamamoto Y, Furukawa F: "Aberrant suprabasal P-cadherin expression in acanthotic but not psoriatic thickened epidermis"Arch Dermatol Res. 295・suppl. 1. S71-S74 (2003)
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[Publications] Yamamoto Y, Uede K, Furukawa F: "Expression of tenascin and human b-1 integrin in the skin peeled with phenol or trichloroacetic acid"Aesthet Dermatol. 13. 17-24 (2003)
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[Publications] Yamamoto Y, Uede K, Ohtani T, Furukawa F: "P-cadherin Expression in Skin Peeled with Phenol or Trichloroacetic Acid (TCA)"J Dermatol. 30. 920-923 (2003)
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[Publications] 山本有紀, 古川福実: "トリクロロ酢酸治療に抵抗性であった日光角化症の1例"日本美容皮膚科学会雑誌. 13・3. 180-184 (2003)
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[Publications] 山本有紀, 上出康二, 古川福実: "血管肉腫に対するフェノール塗布の組織学的変化"日本美容皮膚科学会雑誌. 13・3. 176-179 (2003)
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[Publications] 山本有紀, 古川福実: "日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン2001準拠 ケミカルピーリング これが私のコツと技"南山堂. 19 (2003)