2003 Fiscal Year Annual Research Report
色素異常症の解明に向けたRNA干渉法による色素細胞特異遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15591193
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
住本 秀敏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306838)
|
Keywords | RNA干渉 / siRNA発現HIVベクター / メラニン合成 / 色素細胞特異遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では色素細胞特異的発現遺伝子MART-1、gp100、AIM-1などの機能を明らかにするためRNA干渉法による遺伝子機能阻害実験を行うことを目的とするが、本年度は、メラニン合成量の減少をRNA干渉効果の指標とする実験系を確立するため、色素細胞特異的発現遺伝子でありメラニン合成系の必須酵素でもあるtyrosinaseでRNA干渉の実験系構築を試みた。RNA干渉による効果は標的とする塩基配列に非常に大きく左右されるため、効果的なRNA干渉を行うためにはその標的配列の選択が最も重要となる。標的配列選択のアルゴリズムに基づき、まずtyrosinase、AIM-1の標的配列を5種設定した。高効率に遺伝子を導入できるsiRNA発現レンチウイルスベクターに標的配列を挿入し、高色素産生メラノーマ細胞株であるSKmel23に感染を行い、効果を検討した。tyrosinaseに対するRNA干渉実験では、SKmel23に5種の組換えウィルスを感染させたところ1例でRNA干渉効果が推定される明らかな白色化がみられた。現在この組換えウィルスを用いてRNA干渉を行い、白色化したSKmel23や、白色メラノーマ細胞株(A375mel、888mel)、有色メラノーマ細胞株(1363mel)におけるメラニン合成量を、吸光度により測定できるシステムを構築している。AIM-1に関しても5種の標的配列を設定し、組換えウィルスを作製しSKmel23に感染させたが、現在のところ白色化は認められず、また定量PCRによってもAIM-1 mRNA量の減少はみられず、RNA干渉の効果は確認できていない。2004年2月に効率的な標的配列選択のための新たなアルゴリズムが報告されたので、現在この基準に基づきAIM-1の発現抑制が可能な配列を探索している。MART-1、gp100に関しても同様に、新たなアルゴリズムを用いて効果的なRNA干渉を可能にする配列を探索している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Ishikawa, T., Suzuki, Y., Kawakami, Y., et al.: "Tumor-specific immunological recognition of frameshift-mutated peptides in colon cancer with microsatellite instability"Cancer Research. 63. 5564-5572 (2003)
-
[Publications] Ito, K., Matsuzaki, Y., Kawakami, Y., et al.: "Identification of novel bladder cancer antigen, human lipoic acid synthetase, recognized by antibodies in serum of a patient with metastatic bladder cancer"International Journal of Cancer. 108. 712-724 (2004)
-
[Publications] 松崎ゆり子, 河上裕: "臨床遺伝子学'03 -がんのジェネティックス- 皮膚がんのジェネティックス"最新医学 最新医学社、大阪. 58. 287-294 (2003)