2003 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス動態解析による皮膚炎症発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
15591198
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
山岡 淳一 日本医科大学, 医学部, 講師 (80283688)
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Keywords | 酸化ストレス / レドックス / 皮膚炎症 / 虚血再灌流 / モデルマウス / 血管障害 |
Research Abstract |
皮膚炎症におけるレドックス制御の関与を明らかにするために以下の点について研究を進めた。 1、虚血再灌流モデルマウスの作製と酸化ストレスの解析 動脈硬化や糖尿病ないしアレルギー機序に基づき血栓や塞栓が形成されたり、組織・血管が圧迫されたりして、皮膚血管に虚血-再灌流刺激が加わった場合、H_2O_2やO_2^-などが生成され、これが好中球-血管内皮細胞間の相互作用を亢進させ、さらに高度な血管内皮細胞障害をひきおこすと考えられる。このような病態をさらに詳細に解明するため、虚血再灌流モデルマウスの作製に着手した。具体的には、ICRマウスをネンブタールにて全身麻酔後、大腿動脈を金属片で軽くクリップし血流を遮断し、30〜60分後クリップを除去し血流を再開した後、術創部を縫合し、数時間ないし数日後マウスを頚椎脱臼により処分し、直ちに心臓より全採血し血清および好中球を遠心分離し、下腿皮膚を同時に採取し凍結保存した。 これらのサンプルを用いて、虚血-再灌流により生ずる皮膚血管障害における酸化ストレスの各指標(H_2O_2、O_2^-、8OH dG,MDAなど)および好中球と血管内皮細胞の相互作用(接着因子発現)について、現在、解析を進めている。まだ結果はまとまっていないが引き続き解析していく予定である。今後これらのモデルマウス系ができたら、薬効や治療効果判定にも用いる予定である。 2、その他の酸化ストレスモデルマウスの作製 紫外線(UVAないしUVB)照射モデルマウス、DNCB刺激による接触皮膚炎モデルマウス、擦過刺激モデルマウスにおける酸化ストレス解析についても(1)と同様に作製中である。
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