2004 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞の分化・角化制御機構の解明:プラキン・ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
15591203
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
辛島 正志 久留米大学, 医学部, 講師 (70211175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 隆 久留米大学, 医学部, 教授 (20129597)
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Keywords | プラキン・ファミリー / 角化細胞 / トランスグルタミナーゼ |
Research Abstract |
1.プラキン・ファミリーの発現誘導によって、培養細胞レベルでの表皮角化細胞の分化に影響が起こるかどうかを検討した。表皮基底細胞には発現が認められないペリプラキン・エンボプラキンを培養表皮角化細胞に発現誘導させると、表皮細胞の分化マーカーであるTGase活性の増加と、インボルクリンの発現増強がみられた。このことはペリプラキン・エンボプラキンの発現が表皮角化細胞において何らかの分化誘導シグナルを誘導することが考えられた。一方、基底細胞に発現するプラキン・ファミリーのひとつである、類天疱瘡抗原(BP230;BPAG1)を表皮角化細胞株に強制発現させた場合、各種角化・分化のマーカーの発現の抑制がみられた。基底細胞に発現するプラキン・ファミリーである類天疱瘡抗原は表皮角化細胞の分化において、抑制的に働く可能性が示唆された。これらプラキン・ファミリーによる表皮角化細胞の分化促進または抑制に関与する機構は不明であり、今後のさらなる検討が必要である。また、プラキン・ファミリーの細胞内局在には、プラキン・ファミリータンパク質のリン酸化・脱リン酸化が関与している可能性が示唆された。さらに、類天疱瘡抗原とケラチン中間径線維との結合においても、類天疱瘡抗原タンパク質のリン酸化・脱リン酸化が関与している可能性が示唆された。 2.未分化上皮系細胞株にプラキン・ファミリーおよびTGaseを強制発現させることにより、分化が誘導されるかどうか。さらに、癌細胞株においてこれらのタンパク質を発現させることにより、癌細胞の強制分化が誘導されうるかどうかを検討した。ごく限られた種類の癌細胞株において、プラキン・ファミリーおよびTGaseを強制発現させることにより、分化が誘導された。しかし明確な結論をだすには早急である。
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