2004 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス小胞膜関連蛋白欠損マウスにおけるてんかん発症機構の解明
Project/Area Number |
15591208
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
森 文秋 弘前大学, 医学部, 助教授 (60200383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 元宏 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10281916)
若林 孝一 弘前大学, 医学部, 教授 (50240768)
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Keywords | てんかんモデル / アダプター蛋白複合体 / μ3B / シナプス小胞形成 / 海馬 / CA3 / 興奮性終末 / 抑制性終末 |
Research Abstract |
アダプター蛋白(AP)複合体は、clathrinと共にポストゴルジネットワークを構成する輸送小胞の代表的な被覆蛋白である。AP複合体のうち神経細胞特異的なAP-3Bはシナプス小胞の形成や神経伝達物質のシナプス小胞への選択的な取り込みを制御している可能性が示唆されている。AP-3B特異的なサブユニットであるμ3Bのノックアウトマウスは生後15週齢以降にけいれん発作を反復してんかんモデルと見なされている。平成16年度は,生後発達期のμ3Bノックアウトマウスの海馬CA3における苔状線維終末(興奮性)およびCA3錐体細胞の胞体に付着する対称性シナプス(抑制性)をならびに神経伝達物質遊離の変動を明らかにする目的で、μ3Bノックアウトマウス(KO)およびwild typeマウス(WT)を用い、生後2,4,6,8,16,60週齢において免疫組織化学的ならびに定量形態的検討を行った。 その結果、いずれの週齢でも通常の光顕観察では異常を認めなかった。電顕的に興奮性および抑制性終末の大きさ自体にはKOとWTの間で差は認められなかったが、興奮性終末のシナプス小胞の直径の平均値はいずれの週齢でもKOの方が大きく、大小不同が目立った。一方、抑制性終末のシナプス小胞の直径は、6-16週齢でKOの方が小さかった。さらに、KOの興奮性終末ではいずれの週齢でも終末1個あたりのシナプス小胞の数がWTよりも少なかったが、抑制性終末では差が認められなかった。 以上の結果から、本モデルではAP3B機能欠損によって小胞形成に障害が生じ、歯状回顆粒細胞から海馬CA3への興奮性と抑制性入力の不均衡がけいれんを惹起している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)