2003 Fiscal Year Annual Research Report
前頭側頭型痴呆およびアルツハイマー型痴呆における画像診断とアポリポ蛋白E多型
Project/Area Number |
15591210
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助教授 (00211178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 真人 山形大学, 医学部, 助教授 (80212520)
駒谷 昭夫 山形大学, 医学部, 講師 (10107188)
林 博史 山形大学, 医学部, 講師 (00333956)
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Keywords | 前頭側頭型痴呆 / ピック病 / アルツハイマー型痴呆 / MRI / SPECT / アポリポ蛋白E / 海馬 |
Research Abstract |
前頭側頭型痴呆(FTD)とアルツハイマー型痴呆(AD)の画像診断上の相違点をみるために、1)マルチショット拡散強調画像(MS-DWI)を用いたMRIによる海馬の内部構造の画像化、および2)脳血流SPECTに新しい統計画像Easy z-score imaging system(eZIS)を組み合わせた脳表および断層像の機能解剖について検討した。さらに、3)Apoリポ蛋白E(A po E)多型についてFTDとADについて比較検討した。 海馬MRIは、AD26例、FTD8例について検討した。ADでは病初期から海馬CA1および海馬支脚の菲薄化を認めるとともに、対照群に比して内部構造の乱れがみられた。また、ADの中では早期発症型では海馬萎縮は軽度の傾向があり、晩期発症型ではより萎縮が強い傾向がみられた。 FTDでは、意味痴呆(SD)では海馬の萎縮はADよりも高度だが、ピック型では比較的軽度、FLD型では萎縮はみられず、FTDの亜型により異なっていた。したがって、海馬MRIは、AD、FTDの鑑別に役立つ可能性が高い。 SPECTは、AD66例、FTD10例についてeZIS解析ができた。ADでは、早期発症型では後部帯状回の血流低下はより明瞭で、頭頂葉も低下が同時に低下する傾向があった。一方、晩期発症型では、後部帯状回や頭頂葉の低下は目立たない傾向があり、海馬の血流低下が目立つ傾向があった。FTDについては、早期から前頭葉や前部側頭葉の血流低下が明瞭に描出され、簡便にADとの鑑別ができた。なお一部の例で、これと同時にADのように頭頂葉や後部帯状回の血流低下をみる例があり、今後の検討課題である。 ApoE多型では、AD50例、FTD9例について測定し、E4を有する割合は、対照13%に対して、AD46%と有意に高く、FTDでもまだ少数例で予備的な結果ではあるが44%と高頻度であった。
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Research Products
(1 results)