2003 Fiscal Year Annual Research Report
非定型抗精神病薬の副作用に関連する耐糖能脆弱性関連遺伝子の検索
Project/Area Number |
15591214
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
染矢 俊幸 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50187902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村竹 辰之 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60311669)
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Keywords | 統合失調症 / 非定型抗精神病薬 / 耐糖能異常 / 肥満 / β2アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
近年、非定型抗精神病薬は統合失調症の薬物療法の中心として用いられるようになったが、耐糖能異常、高脂血症、肥満などの薬剤誘発性の副作用は、非定型抗精神病薬において特に発現頻度が高いと推測されている。しかしこれらの副作用発現のメカニズムについてはいまだ不明な点が多く、現時点では副作用発現を予測しうる臨床上有益な遺伝子マーカーも見出されていない。 そこで我々は、非定型抗精神病薬olanzapine、perospironeを対象薬とし、それらで治療を受けている統合失調症患者を対象に、特に非定型抗精神病薬において発現頻度が高いと推測される、耐糖能異常、高脂血症、肥満などの副作用に関連していると思われるβアドレナリン受容体の遺伝子変異について解析し、これらの副作用発現との関連についての検討をおこなっている。 現在、データセットの構築が順調に進んでおり、現時点では40症例の臨床データ、血液サンプルなどの収集が完了している。これまでに得られた予備的所見としては、perospirone開始後に発現した耐糖能異常において、肥満および2型糖尿病の発症リスクを低下させるといわれている、β2アドレナリン受容体のGly16変異アレルをもたないという遺伝的脆弱性と、肥満が存在することが重要な因子である可能性が示唆されており、今後さらに症例数を増やした上で、検討を加える予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 川嶋義章, 染矢俊辛: "向精神薬の薬物動態学的相互作用と遺伝子"Clin Neuroscience. 21(12). 1352-1353 (2003)
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[Publications] 澤村一司, 染矢俊幸: "Olanzapine, quetiapine惹起性体重増加への対策:H2遮断薬"臨床精神薬理. 7(6)(印刷中). (2004)
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[Publications] 須貝拓朗, 村竹辰之, 澤村一司, 須賀良一, 染矢俊幸: "Quetiapineへの置換により遅発性ジスキネジアが改善した慢性期統合失調症の2症例"臨床精神薬理. 6(4). 467-472 (2003)
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[Publications] 新藤雅延, 村山賢一, 染矢俊幸: "Olanzapineが著効し単剤投与可能となった統合失調症初発エピソード"臨床精神薬理. 6(7). 955-958 (2003)
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[Publications] 百瀬能成, 豊岡和彦, 染矢俊幸: "多剤大量療法からolanzapine単剤への切り替えが著効し牟統合失調症の1例"臨床精神薬理. 6(8). 1095-1099 (2003)
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[Publications] 渡部雄一郎, 染矢俊幸: "薬物による治療アプローチ統合失調症(染矢俊幸編)"新興医学出版社, 東京(印刷中).