2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591223
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
谷井 久志 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40346200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 祐士 三重大学, 医学部, 教授 (40010318)
城山 隆 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00252354)
武田 雅俊 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00179649)
工藤 喬 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10273632)
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Keywords | 家族性アルツハイマー病 / APP(アミロイド前駆体タンパク) / プレセニリン / アポトーシス / Notch-1 / Notchβ / γセクレターゼ / Valine |
Research Abstract |
家族性アルツハイマー病(FAD)に関与するAPP(アミロイド前駆体タンパク)およびプレセニリン変異を導入した培養細胞系においてアルミニウムストレスなどを加えて細胞死への影響を調べ、FAD関連突然変異を有する細胞系で神経突起の伸張の障害やアポトーシスの増加を見出した。また、APPのmutation effectを検討するために、APPと同様にプレセニリンを含むγセクレターゼ複合体により細胞膜内の2箇所(S3およびS4)で切断を受けるNotch-1に注目し、これらの細確内切断の後で産生されるNotchβの特性について検討を行なった。すなわち、APPにおいてはβ切断とγ切断部位(γ40/42とγ49)によってアミロイドβが産生されるが、Notch-1においてはS2部位の切断とS4/S3切断によってNotchβが産生される。ここで、APPのγ切断部位(γ40/42とγ49)の前後とNotch-1のS3部位の直後にValineがあり、アミロイドβの産生において重要なγ切断においてValineが何らかの関連を持つ可能性を我々は想定した。Notch-1のS4部位にはValineがないことに着目し、Notch-1のS4切断部位周囲に人工的にValineに置換する突然変異(Valine-Scanning)を導入することによりγ切断に対するValineの影響を調べた。その結果、S4切断が中心であるという点は各種のValine Variantに共通である。複数得られたNotchβSpeciesにおいて、S4の前後のValine mutationによって発現量が大きく影響を受けること、切断効率についても変化が認められること、アミノ酸置換がより遠隔の切断に影響を与える場合があることなどが見出された。更にValineに置換した場合の切断についてもプレセニリン依存的であり、これらの切断はプレセニリンはγセクレターゼ複合体の特性を反映していると思われた。以上のように、これらの変化はAPPのγ切断部位におけるValineの影響に類似した面もあり、NotchのS4切断はAPPにおけるアミロイドβの生成機序のメカニズム解明のためのモデルとなりうる可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)