2003 Fiscal Year Annual Research Report
幼若期てんかん原性形成と成長発達過程のけいれん準備性に及ぼす内分泌撹乱物質の影響
Project/Area Number |
15591225
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
吉岡 伸一 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00191544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井元 敏明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (10109639)
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Keywords | てんかん / 扁桃核キンドリング / 内分泌撹乱物質 / ラット / 幼若期 / けいれん準備性 / 成長発達過程 / ビスフェノールA |
Research Abstract |
内分泌撹乱物質の候補として知られるビスフェノールA(BPA)を周産期に投与した際の幼若期及び成熟期のラット扁桃核キンドリング形成に及ぼす影響を比較検討した. 1.幼若ラット扁桃核キンドリング形成に及ぼす周産期内分泌撹乱物質暴露の影響 妊娠12日目より生後10日目まで母ラットに経口的にBPA(1mg/kg)を投与し,生後14日齢の幼若ラットの扁桃核キンドリング完成に要する刺激回敬,後発射持続時間を測定した.対照として生後1日目から9日目まで隔日にエストラジオール・ベンゾエート(EB) 20μg/gを投与した群,及び無処置群(コントロール)を用いて比較した.その結果,コントロール群に比べBPA群は発作完成に要する刺激回数が有意に多く,一方,EB群は有意に少なかった. 2.成熟ラット扁桃核キンドリング形成に及ぼす周産期内分泌撹乱物質暴露の影響 妊娠12日目より生後10日目まで母ラットに経口的にBPA(1mg/kg)を投与し,生後70日齢の成熟ラットの扁桃核キンドリング完成に要する刺激回数,後発射持続時間を測定した.対照として生後1日目から9日目まで隔日にEB20μg/gを投与した群,及び無処置群(コントロール)を用いて比較した.その結果,コントロール群に比べ,BPA群及びEB群ともに発作完成に要する刺激回数が有意に少なかった. 以上の結果から,周産期に内分泌撹乱物質を投与した場合,幼若期並びに成熟期のけいれん準備性に影響を及ぼすことが示唆された.また,BPA群の効果がEB群とは異なっていたことから,けいれん準備性に対する影響についてはエストラジオール作用以外の作用により発現していることが示唆された.
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