2003 Fiscal Year Annual Research Report
凝集構造の異なるアルツハイマー病βアミロイドのミクログリアに対する影響の解析
Project/Area Number |
15591230
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
門司 晃 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (00294942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20155774)
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Keywords | アルツハイマー病 / ミクログリア / サイトカイン / フリーラジカル / 炎症 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の最も特徴的な神経病理所見は老人斑の主要成分はβアミロイドである。βアミロイドはミクログリアを活性化してTNF-αなどの炎症性サイトカインの産生分泌を誘導し、これらの炎症性サイトカインはさらにミクログリアを活性化することによって連鎖的なミクログリア活性化反応が生じると考えられている。この過程で極めて強いニューロン毒性を有するperoxynitrite (ONOO-)やhydroxy radical (OH-)が発生し、これらのニューロン変性作用によってアルツハイマー病が進行する可能性が指摘されている。この事実はミクログリア活性化の抑制がニューロン保護的になることを示しており、ミクログリアを中心とした脳炎症反応を抑制することによりアルツハイマー病に対する治療効果が期待される。 今回我々は以下の2点を見出した。 (1)βアミロイド単独ではニューロン毒性を有しない非凝集性βアミロイドもミクログリア活性化能を有すること。 (2)phosphatidylserine(PS)-リポソームによって、βアミロイドによるミクログリア活性化が抑制されること。
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[Publications] Monji A, Yoshida I, Hashioka S, Tashiro K: "Laminin and its related peptides on Alzheimer's disease pathology."Current Topics in Peptide & Protein Research. 5. 143-148 (2003)