2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15591231
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 一之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30226154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 孝洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80298207)
西原 永潤 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30359955)
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Keywords | サーカディアンリズム / 睡眠 / 時計遺伝子 / 情動 |
Research Abstract |
総合診療科を受診した20名の月経前不快気分障害(PMDD)の月経周期に伴う、睡眠リズムの変化とエストロジェン、プロジェステロン血中濃度を調べた。その結果、2名の患者が、卵胞期に2〜3時間の位相前進、黄体期に2〜3時間の位相後退(交代性睡眠相変位,APSS)を示した。一方、20名の健常女性の月経周期に伴う睡眠リズムを調べたが、交代性睡眠相変位は認められなかった。従って、PMDDとAPSSのメカニズムには何らかの関連性があることが示唆された。しかし、PMDDの重症度とAPSSの発症率には関連性が無かった。また、ホルモンレベルとAPSSの発症率にも関連性も認められなかった。以上のことから、時計のホルモン反応性と情動のホルモンに違いがあることが分かった。PSSモデル動物において、エストロジェンが時計中枢(視交叉上核)における時計遺伝子(Per1,Per2)のサーカディアンリズムにどのような影響をおよぼすかどうかを調べた。その結果、エストロジェンはPer2リズムの振幅を減少し、立相を前進させたが、Per1リズムには影響を及ぼさなかったので、エストロジェンがPer2リズムに影響を及ぼすことによって、APSSを発症させる可能性が考えられた。次に、エストロジェンの時計への効果はエストロジェンの視交叉上核への直接作用かどうかを明らかにするために、視交叉上核のエストロジェン受容体遺伝子(ER-alpha,ER-beta)の発現を調べた。その結果、視交叉上核にはER-alphaが豊富にかつ特異的に発現していた。エストロジェンが視交叉上核のER-alphを介して、Per2に直接的に影響を及ぼすことが、APSSのメカニズムになって可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nishitani, S., Moriya, T., Kondo, Y., Sakuma, Y., Shinohara, K.: "Induction of Fos immunoreactrivity in oxytocin neurons in the paraventricular nucleus after female odor exposure in male rats : Effects of sexual Experience"Cellular and Molecular Neurobiology.. 24(in press).
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[Publications] 西原永潤, 篠原一之: "睡眠の生理"Mebio. 21・2. 48-53 (2004)
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[Publications] Mitsushima, D., Funabashi, T., Shinohara, K., Kimura, F: "Rats living in small cages respond to restraint stress with adrenocortical corticosterone release but not with hippocampal acetylcholine release"Psychoneuroendocrinology. 28. 574-583 (2003)
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[Publications] Moriya, T., Shinohara, K.: "Clockworks in the Central and Peripheral Organs : from Clock-related Genes to the Physiological and Pathological Rhythms"Acta Med.Nagasaki. 48. 1-7 (2003)