2003 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患の遺伝及び環境要因の媒介としてのメチル化と内在性レトロウイルス
Project/Area Number |
15591236
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
陣野 吉廣 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20179097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 潤 琉球大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10315476)
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Keywords | 精神疾患 / 遺伝要因 / 環境要因 / メチル化 / 内在性レトロウイルス |
Research Abstract |
1.潜在的発現活性型HERVの同定 5つのHERVファミリーについてEST database(dbEST)のBLAST検索を行い、600個を回収した。このうち、111個が脳と何らかの関連性がある組織(または細胞)から作製されたcDNA libraryに由来するものであった(癌または株化細胞,77;正常組織,34)。これらから4つを抽出し、胎児脳RNAを用いたRT-PCRのクローン化産物の配列解析で確認を行った。最終的に脳での潜在的発現活性能を持つHERVとして同定されたのは22番染色体(22q12)のHERV-Hと1番染色体(1q21-q22)のHERV-K102の2つだけであった。包括的検索の必要性から、戦略を転じdbESTの整理から始めることにした。2004年2月現在登録の5,471,624個のESTのうち、Simpsonらからの823,958を除いた4,647,666個のESTを整理し、脳と関連する組織由来のEST 440,415個のmini-dbESTを作製した。このmini-dbESTから、22のHERVファミリーについてBLAST検索及び配列解析を行って候補を絞る作業を進めている。 2.近傍遺伝子の発現制御への干渉の検証 22q12のHERV-Hのread-through転写物によるRNAiを介したシナプシン3(SYN3)への干渉を、テラトカルチノーマ株化細胞を用いて検討中である。ルシフェラーゼ遺伝子の3'端にSYN3のexon13を組み込み、exon13のanti-sense strandを発現するようにしたプラスミドと共トランスフェクションして40%の活性抑制が得られた。read-through転写物の存在とこれによるSYN3のPTGS(post-transcriptional gene silencing)を証明するコンストラクトを作製中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akifumi Nakamura: "Human endogenous retroviruses with transcriptional potential in the brain"Journal of Human Genetics. 48・11. 575-581 (2003)
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[Publications] Chiaki Fuke: "Age related changes of the 5-methylcytosine content in human peripheral leukocytes and placentas : an HPLC-based study"Annals of Human Genetics. (in press). (2004)