2004 Fiscal Year Annual Research Report
実験的ADモデルにおけるAβ生成および分解酵素の役割に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
15591239
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
続 佳代 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60207420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深津 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10113614)
木村 浩一 北海道立衛生研究所, 微生物細菌科, 科長 (90177915)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / BACE / ネプリライシン / クロロキンラット / BACE遺伝子 / ノックアウト / PCR |
Research Abstract |
アルツハイマー病は脳のAβ沈着症であることから、治療や予防のためには脳内のAβ量を低下させることが必要である。APPからAβを切り出す酵素BACE、産生されたAβを分解する酵素ネプリライシン(NEP)の役割、Aβとの相互関係を明らかにするために以下の検討を行った。 1、クロロキン動物モデルの筋病変での生化学的検討: クロロキンラットのヒラメ筋に各種プロテアーゼインヒビター添加リン酸緩衝液中でホモジナイズし、蛋白を可溶化した。SDS-PAGE後、PVDF膜に転写し、抗Aβ抗体、抗BACE抗体、抗NEP抗体を用いて免疫染色を行った。抗NEP抗体では特徴的なバンドは検出されなかったが、抗BACE抗体ではクロロキン投与7日目より病変筋に40、25、12kDaのバンドが検出された。これらのバンドはBC42(Aβ42を検出できる抗体)でも同様に検出されたが、BC40(Aβ40を検出できる抗体)では検出されなかった。両者の共通反応抗原のアミノ酸配列を明らかにするために、筋ホモジネートを抗BACE抗体、BC42で免疫沈降させ、microsequencing法で検討中である。 2、ネガティブ選別によるBACE遺伝子のノックアウト: 外来遺伝子にはneo耐性遺伝子を、ネガティブ遺伝子にはジフテリア毒素A(DT-A)遺伝子を用いた。マウスTT2由来ES細胞より、BACE遺伝子の第一エクソン部位を含む10kbp程度の部位をlong-range PCRにより増幅させ、増幅したDNA断片をpBluescriptに組み込んだ。この組み替えpBluescriptに対し、BACE遺伝子エクソンの5'側部位に、開始コドンとポリA配列を持つようにpSV2-neoプラスミドからPCRで得たneo耐性遺伝子を挿入した。また、BACE遺伝子の3'末端下流を制限酵素で切断し、プロモーター配列を持つDT-A遺伝子を挿入した。
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