2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591248
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
簑下 成子 川村学園女子大学, 文学部, 助教授 (20333255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸澤 純子 川村学園女子大学, 教育学部, 助教授 (40211396)
佐藤 親次 筑波大学, 人間総合科学研究科, 助教授 (90162437)
小西 聖子 武蔵野大学, 人間関係学部, 教授 (30251557)
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Keywords | 表情認知 / 能面テスト / 母子 / DV被害 / 感情 / カウンセリング効果判定 |
Research Abstract |
表情認知能力の障害は精神障害者のみならず、DV被害を受けた母子にとっても社会復帰の妨げになると考えられる。そのため、社会技能訓練として表情認知訓練が提案される。しかし、表情認知訓練の前提となる表情認知能力のDV被害を受けた母子の客観的評価はほとんどなされておらず、表情認知特性と社会適応度の関係も明らかにされていない。そこで、「能面を用いた表情認知テスト」(簑下,1999)を用い、DV被害を受けた母子の表情認知特性を数値化しカウンセリングの改善度の判定や日常生活のこころがけといった助言への実用化を試みた。 被験者:DV被害を受けた母子4組9名 方法:被験者に、カウンセリングを実施しながら、能面テスト(CRT上に提示された上下方向に異なる傾き角度の能面画像を見て、12の感情項目と能面の表情が一致するかを判断)を半年毎に実施した。能面テストの各変数を母子で比較し、また表情認知の改善度も評定した。 結果:親子関係は非常に改善し、カウンセリングを受けている親と受けていない親の成長に差が生じた。 その効果が能面テストの諸変数にも反映された。ポジティブな感情項目の肯定率が上昇し、ネガティブな感情項目の肯定率が減少した。 ある母親は半年間カウンセリングを受け、その後母親の希望により、カウンセリングを中止したところ、カウンセリングを受けていた期間では表情認知能力に改善がみとめられたが、中止後は能力は維持されたものの改善はみとめられなかった。 考察:カウンセリング効果は表情認知能力の改善にも現れていた。能面テストスコアだけでなく、ネガティブな感情項目の肯定数とポジティブな感情項目肯定数との差でも抑うつ状態など被験者の全般的な感情状態が把握できた。
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Research Products
(2 results)