2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591250
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
渡辺 明子 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (40210992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和男 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (10322695)
吉川 武男 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, チームリーダー (30249958)
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Keywords | 気分障害 / ケースコントロール研究 / GABA-A レセプターサブユニット / α1 / α6 / QTL / 強制水泳テスト / 尾懸垂テスト |
Research Abstract |
気分障害に関連する遺伝子を特定するための研究としてマウスの強制水泳テスト、尾懸垂テストの無動時間を規定している遺伝子座位を量的形質遺伝子座(QTL)法を用いて探索した。その結果、無動時間を支配する遺伝子座8番、11番の座位は両テストで共通することが分かった。(Genome Research 12:357-366,2002)。in silico探索による候補遺伝子を絞った結果特に11番染色体のマーカー「D11Mit271」付近はヒト染色体5q32-q35に相当し、この領域は躁うつ病や不安障害で連鎖が報告されており、GABAレセプターのサブユニット、α1,α6,β2,γ1がコードされている。上記サブタイプ遺伝子の幾つかで使用した親マウスC3H/He(C3)、C57BL/6(B6)間でアミノ酸配列が異なり、その遺伝子発現レベルを見ると前頭葉においてα1geneがB6マウスにおいてC3と比較して有意に減少していた。そこで最終年の16年度は候補遺伝子についてヒトサンプルで解析することを主眼とした。我々は気分障害のサンプルを用いてα1,α6,β2,γ2の多型におけるケースコントロール研究を行った。その結果α1,α6サブユニットが気分障害、特に女性の気分障害患者と関連していることが分かった。α1は男女の合計において単極性障害と、また女性の双極性障害との関連が見られた。α6は女性の気分障害群において有意が見られ、臨床的にも女性に気分障害の患者が多いことから納得出来る結果といえる。(Neuroscience Letter 349:9-12)。QTLの結果からもマウスChr11とchrXは相互作用をしているという結果を得ている。以上の結果からGABA-Aレセプターgenesのいくつかは気分障害の候補遺伝子の一つと考えられる。
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Research Products
(3 results)