2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己由来生体外増殖巨核球を用いた放射線誘発血小板減少症に対する治療法の開発研究
Project/Area Number |
15591253
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柏倉 幾郎 弘前大学, 医学部, 教授 (00177370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敬 弘前大学, 医学部, 教授 (20125438)
高橋 恒夫 東京大学, 医科学研究所・細胞プロセッシング部門, 教授 (50291307)
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
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Keywords | 放射線 / 造血幹細胞 / サイトカイン / 巨核球前駆細胞 / 再生 / 血小板 |
Research Abstract |
自己由来生体外増殖巨核球を用いた放射線誘発血小板減少症に対する治療法の開発のため、放射線曝露ヒト造血幹細胞からの巨核球・血小板の再生・誘導に関する今年度の研究から以下の点が明らかとなった。 1.定常状態のヒト末梢血CD34^<high>細胞とCD34^<low>細胞を分離し、両者の巨核球前駆細胞(CFU-Meg)の放射線感受性を比べると、前者が後者に比べトロンボポエチン(TPO)単独及びTPOと顆粒球コロニー刺激因子存在下での放射線感受性が高いが、TPO+インターロイキン-3(IL-3)では差が見られなかった。従って、ヒト末梢血CD34^+ CFU-Megの放射線感受性の差は、CD34^+細胞の分化程度に依存しており、特にTPO受容体であるMpl受容体発現の差が関与している可能性が示唆された。 2.末梢血CD34^+細胞から誘導した成熟巨核球からの血小板放出過程は、極めて放射線感受性が高いことが示唆された。 3.放射線曝露ヒト造血幹細胞からの巨核球・血小板造血において、非照射細胞に比べ造血幹細胞からの細胞増殖は著しく低下するものの、造血初期過程に作用するサイトカインであるTPOとIL-3の緯み合わせは最も強い造血の再生・誘導を支持した。特に成熟巨核球からの血小板産生・放出においては非照射・照射細胞のいずれにおいても他のサイトカインの組み合わせに比べ最も強い作用を示し、放射線曝露造血幹細胞から巨核球系への分化増殖ならびに成熟巨核球から血小板産生を正常に近い状態で再生誘導出来る可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)