2004 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経腫瘍に対するX線、重粒子線治療による個体の生殖機能への影響
Project/Area Number |
15591258
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宇野 隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 久夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
川田 哲也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60234077)
磯部 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80334184)
山本 正二 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40302567)
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Keywords | 中枢神経 / 重イオン線 / 生殖能 / 視床下部 |
Research Abstract |
昨年度(平成15年度)は本研究で最も重要なラット脳に対する正確な照射方法の検討し、視床下部に5ミリ立方の照射野を設定してその部位に確実に照射される方法を確立した。本年度(平成16年度)は昨年度確立した方法を用いて、雄ラットの交尾行動に対する炭素イオン線(290MeV/n)の影響を検討した。雄ラットの性行動観察に交尾行動(mounting-乗駕、intromission-挿入およびejaculation-射精)が明確で最適であることから、正常脳組織に対する放射線障害の影響を行動学の側面から検討した。先ず、設定部位に正確に照射され、その部位に対する照射の正当性を確認するために高線量で短期間の観察を実施した。 ラットはWistar-Imamichi系を使用し、雄と同居させる雌ラットは卵巣を摘出した後にβ-estradiolとprogesteroenを投与して人工的に発情誘発させた。雄ラット視床下部の照射野5mm^3に15〜120Gyを照射し、雌雄1組当たり30分間として交尾行動(mount.Intro.Ejac.)の回数を記録した。照射1カ月後では、15、30、45Gyおよび60Gy照射ラットで交尾行動変化は見られないが、90Gy照射ではIntro.およびEjac.を発現しない個体がみられ、120Gy照射でその数は半数に及んだ。特に90〜120GyではEjac.の出現回数に抑制が認められた。また、照射3カ月後では60Gy照射ラットでIntro.およびEjac.回数が低下するとともに半数の個体が行動を発現しなかった。 これらの結果は低線量照射であっても経時的に障害が進んでいる可能性を示唆している。脳組織は放射線に抵抗性で組織学的な障害の発生は遅く、さらに照射後長期間経過したラットの交尾行動を観察する予定である。
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Research Products
(3 results)