2004 Fiscal Year Annual Research Report
造影MRIを用いた心筋血流とバイアビリティーの定量的診断
Project/Area Number |
15591265
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐久間 肇 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (60205797)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 寛 三重大学, 医学部, 教授 (70106988)
松村 要 三重大学, 医学部附属病院, 診療等従事者 (70126994)
加藤 憲幸 三重大学, 医学部, 助教授 (40214390)
中野 赳 三重大学, 医学部, 教授 (60111879)
前田 壽登 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (00024703)
|
Keywords | 心筋血流 / 心筋梗塞 / magnetic resonance imaging / 造影剤 / 心筋バイアビリティー |
Research Abstract |
心筋パーフュージョンMRIから心血流を定量評価するためには、血液信号飽和などの問題を解決する必要がある。本年度の研究では、心筋パーフュージョンMRIを用いた心筋血流定量化を目指して、血液信号飽和などについての検討を行った。心筋パーフュージョンMRIにおける、血液造影剤濃度と信号強度の関係をファントムを用いて評価したところ、血液中のGd-DTPA濃度が1mMを超えると信号飽和の影響が認められた。心筋パーフュージョンMRIの臨床利用ではGd-DTPA 0.05mmol/kgの投与が行われており、この場合の大動脈血液の最大濃度は以前のCTを用いた研究から約3.5mMと推測されるため、血液信号はかなり強い信号飽和を示すことになる。これらの基礎的検討の結果を踏まえて、安静時・負荷時心筋パーフュージョンMRIを実施する前に、Gd-DTPAを10倍に生食で希釈した溶液を用いて血液信号飽和の生じない条件でパーフュージョンMRIを撮影し、そのデータから血液信号飽和の補正を行った。正常14例を対象に血液信号飽和とコイル感度補正を行い、2コンパートメントモデルからK1値を定量的に求め、さらにGd-DTPAのextraction fractionと血液ヘマトクリットに対する補正を行ったところ、安静時心筋パーフュージョンMRIから求めた心筋血流量平均値は0.84±0.41ml/min/gであった。この値は、心筋血流PETなどを用いて報告されている正常心筋血流量と非常によく一致しており、心筋パーフュージョンMRIから心筋血流の絶対値を定量的に評価できることが示された。
|