2004 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場及び超高磁場MRI装置を用いた、脳腫瘍患者における神経線維束の描出
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15591270
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三木 幸雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (80303824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 潤 京都大学, 医学研究科, 講師 (80252435)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
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Keywords | 拡散テンソル / 磁気共鳴画像 / 神経線維束 / 脳腫瘍 / MRI / diffusion tensor imaging / fiber trcking / 3T |
Research Abstract |
平成16年度は1.5Tの臨床診療用MRI装置(Siemens社製Magnetom Symphony)、3Tの臨床研究用MRI装置(Siemens社製Magnetom Trio)の両方に昨年度導入したparallel imaging法と頭部専用高感度受信コイルのそれぞれを使用した正常ボランティアの拡散テンソル画像撮影を合計30例行った。画像解析はJohns Hopkins大のMoriらが開発した拡散テンソル画像解析及び白質神経束描出(tractography)用のソフトウェアDTI Studio(Mori et al.Ann Neurol 2002;51:377-380)を用いた。3TのMRIが本来持っている高い高磁場特性による高い信号・雑音比を持った画像がtractographyにおいても有効であり1.5Tと比べて線維束の描出能が高いことが証明された。この結果は平成16年11月30日に第90回北米放射線学会において発表した。 脳腫瘍などの脳占拠性病変症例においては特に3TのMRIの利点(前述)を生かして錐体路や視放線などの術前tractographyを作成し、脳手術用ナビゲーター装置への転送方法を確立し、この手法を平成17年2月11日に第34回日本神経放射線学会にて発表した。手術時における誘発電位や覚醒下手術などの手法を用いた脳機能分布の推定と術前tractographyの対比参照、術後のtractographyと術前の対比を開始している。今後もtractographyによる高精度の切除範囲決定と術後機能の温存をより高い次元で実現するために更に検討を加え、tractographyの臨床的有用性の向上を目指していく予定である。
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