2003 Fiscal Year Annual Research Report
難治性癌への損傷DNA修復阻害による放射線感受性増強治療に関する研究
Project/Area Number |
15591276
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
副島 俊典 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20231384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (30346267)
大野 良治 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30324924)
杉村 和朗 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00136384)
村上 昌雄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 客員助教授
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Keywords | Rad51 / RNAi |
Research Abstract |
1)Rad51機能阻害によるin vivoにおける放射線感受性増強治療 Rad51 siRNA細胞内導入によるRad51遺伝子ノックダウンの手法を培養細胞系で確立した。Rad51遺伝子を標的とするDNA-RNAキメラオリゴを作成、その細胞内導入によりRad51遺伝子ノックダウンの手法を確立した。今回は特に細胞周期複製期におけるRad51タンパクの損傷DNA修復機能についての検討が主題であるため、細胞周期同調法とRad51遺伝子ノックダウンを組み合わせた培養細胞の実験系を樹立した。ただし、オリゴの細胞内導入は細胞周期1周期、また非同調状態でも約72時間しか維持されないため、放射線感受性の評価を行うコロニーフォーメーションアッセイには適さない。その解決法として現在DNAベクターを使ったRNAi実験系を確立すべく、Rad51-RNAiベクターを作成中である。次年度にはRad51機能阻害目的のドミナントネガティブアデノウイルスベクターを作製した後、ヌードマウスに培養癌細胞を皮下移植し、Rad51-RNAiベクター溶液およびRad51ドミナントネガティブアデノウイルスベクター溶液の局所注射併用放射線治療を行う予定である。放射線単独治療との比較においてRad51機能抑制が放射線感受性増強効果を持つかどうかについてin vivoにて検討する。 2)Rad51機能阻害を用いた放射線による分裂死機構の解析 放射線照射による癌細胞の分裂死のうち、最近明らかになった複製期からの直接分裂死についてその機構解析を目的とする。我々がその機構の開始点と考えるRad51に結合するタンパクを精製、マス・スペクトロメトリーを用いたペプチド解析により損傷DNA修復におけるRad51の標的タンパクを検索中である。次年度にはその結果から修復不全から細胞周期チェックポイント不全、不完全分裂へと続く分裂死の一経路を明らかにする。
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