2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性癌への損傷DNA修復阻害による放射線感受性増強治療に関する研究
Project/Area Number |
15591276
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 良平 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30346267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 和朗 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00136384)
大野 良治 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 産学官連携研究員 (30324924)
村上 昌雄 兵庫県立粒子線医療センター, 科長(研究職)
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Keywords | 難治性癌 / Rad51 / 放射線感受性 / 放射線抵抗性 / FDG-PET / 前立腺癌 / 併用療法 / イソフラボン |
Research Abstract |
Rad51をアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたRad51機能阻害によるin vitroにおける放射線感受性増強治療が前立腺癌細胞株において確認された。その研究成果の中でコメットアッセイではDNAの修復遅延と阻害の双方が確認された。この併用効果を更に多くの難治癌に適応できるかどうか検討するため、放射線抵抗性細胞株の作成に取り組みp53遺伝子のみが異なる大腸癌細胞株(HCT116 p53+/+,HCT116 p53-/-)の樹立に成功した。Rad51をアンチセンスオリゴヌクレオチドと放射線治療の併用療法の効果を確認した。放射線抵抗性腫瘍への新たな併用療法として投稿準備中である。 また、一方でイソフラボンによる放射線感受性増強効果に関してもその併用効果と分子メカニズムに関して基礎的検討を行い、イソフラボンを作用させることにより、前立腺細胞株において放射線照射後のアポトーシスの誘導が顕著になり、細胞周期をも変化させていた。細胞周期に関与する分子の経時的な変化も解析し、その研究成果はAsian J Androl. 2004;6(4):285-290.に掲載された。 これらの難治性癌に新たな治療戦略を実際の臨床に還元するためには治療(放射線)抵抗性腫瘍を如何に診断し得るかが大きな課題であり、その診断法の一つとしてFDG-PETによる放射線抵抗性の検出に取り組み、非小細胞肺癌においてStandardized Uptake Value (SUV)が放射線抵抗性腫瘍の検出に極めて有用であることを確認し、その成果がJ Clin Oncol. 2005;23(6):1136-1143.に掲載された。 その他にも研究分担者の大野等はMRIの新たなシークエンスを用いて難治性癌の一つである肺癌の診断精度向上を達成し、その成果が欧米の雑誌に掲載されている。
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