2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光ガラス線量計を用いた定位放射線照射の高精度な線量評価に関する研究
Project/Area Number |
15591288
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 不次男 熊本大学, 医学部, 助手 (00295148)
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Keywords | 蛍光ガラス線量計 / 定位放射線照射 / 極小照射野線量測定 / 出力係数 / ガンマナイフ |
Research Abstract |
本研究は、定位放射線照射(SRI)の高精度な線量評価の確立を目指して、蛍光ガラス線量計(GRD,GPD)を利用した定位放射線手術Stereotactic Radiosurgery(SRS)及び定位放射線治療Stereotactic Radiotherapy(SRT)の極小照射野の高精度な線量評価を行うことを目的とする。本年度は、以下の研究テーマについての研究成果を報告する。 1.蛍光ガラスロッド線量計(Grass rod dosimeter, GRD)の物理特性 GRDの放射線治療領域における線量評価への応用を目指して、GRDのエネルギー特性、再現性、線量直線性、方向依存性などの物理特性を評価した。これらの結果から、GRDは放射線治療領域の線量評価の新しい有用な検出器として応用できることを明らかにした。 2.リニアック装置、ガンマナイフ装置の極小照射野の出力評価 GRDを極小照射野の出力評価に応用し、その有用性を評価した。現在、極小照射野の線量評価に一般的に使用されているp型Si半導体検出器、ダイヤモンド検出器、電離箱との比較からGRDの有用性を明らかした。とくに、ガンマナイフの4mmコリメータの出力測定には現在有効な線量計がなく、GRDはガンマナイフの線量管理に有用な検出器となることを示した。 3.ガンマナイフの装置間の違いによる出力係数の評価 GRDを用いた5施設(国内4、米国1)のガンマナイフ装置の出力係数の比較検証を行った。同一の検出器で評価した国内外の装置間の比較は国際的にも稀な試みであり、GRDを用いた郵送測定によって可能となった。今回の5施設のガンマナイフの出力係数は、よく一致することが検証できた。 今後の研究計画は、さらに蛍光ガラス平板線量計(Grass plate dosimeter, GPD)を開発して、出力線量とその線量プロファイルを同時に評価するシステムを構築する予定である。このシステムは、将来的には強度変調放射線治療(IMRT)の線量評価にも有用となる。また、今後病院においてはフィルムレスになることが予想され、蛍光ガラス平板線量計はフィルムに変わる検出器と期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujio Araki: "Measurement of Gamma-Knife helmet output factors using a Radiophotoluminescent glass rod dosimeter and a diode detector"Medical Physics. 30・8. 1976-1981 (2003)
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[Publications] 荒木不次男: "蛍光ガラス線量計を用いたナロービームにおける線量の高度評価に関する研究"日本放射線技術学会誌. (掲載予定).