2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法の安全性および有効性に関する研究
Project/Area Number |
15591294
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松岡 利幸 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40295697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健治 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00145781)
井上 佑一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00101288)
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Keywords | ラジオ波凝固療法 / 肺腫瘍 / CTガイド穿刺 |
Research Abstract |
基礎実験として,豚の正常肺におけるRFA後のCT像と病理組織学的変化を対比して観察した.その結果,病理組織学的には中心の凝固壊死とその周囲の浸出液を主とした層,さらに外周のうっ血層の三層構造がみられ,CTで観察される輪状高濃度域は再外層のうっ血層に炎症細胞浸潤と線維化が加わった像に一致すると考えられた.最外層には壊死に至っていない細胞群が散在し,臨床の場での治療にあたって,標的病変が輪状高濃度域の内にあることをCTで確認することが重要であることが示された. 臨床的には,17症例の22結節(原発肺癌の術後再発10結節,他臓器からの肺転移12結節)に対しRFAを施行した.これまでに実施した86結節のうち,3cm径未満でかつCTで半年以上経過を観察し得た40結節について,その局所制御率を検討すると,roll offに達した33結節では81.8%であったのに対し,roll offしなかった7結節では28.6%であり有意な差が認められた.主な合併症として術中の疼痛熱感が57.2%,気胸が30.4%,術後の発熱が51.4%にみられた.2例で中等度の気胸に対し胸控内チューブを挿入したが,これまで重篤な合併症は経験していない.この成績を33回日本血管造影IVR学会総会(東京),45回肺癌学会総会(横浜),RSNA2004(シカゴ),ECR2005(ウィーン)で発表した.また,合併症のうち特にRFA中の血管内microembolismsに着目し,臨床の20列で,術中頸動脈エコーでのモニターと,術前後の脳拡散強調MRIでその影響を評価した.エコーでは3例でmocroemboliを観察したが,MRIでは前例で以上を認めなかった.この結果を上記学会で報告するとともに,American Journal of Roentogenologyに投稿し12月号に掲載された.
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Research Products
(5 results)