2005 Fiscal Year Annual Research Report
医療放射線被曝低減化に関する実験的および臨床的研究
Project/Area Number |
15591310
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
安陪 等思 久留米大学, 大学病院, 助教授 (90167940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 法瑞 久留米大学, 医学部, 講師 (00248402)
内山 雄介 久留米大学, 医学部, 助手 (50268885)
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Keywords | 医用放射線 / 皮膚被曝 / 血管内治療 / interventional radiology |
Research Abstract |
治療を目的とした放射線診断機器の使用において、患者の被曝線量(特に皮膚)の計測が必要であることは誰もが認めるところであるが、現状においては国内、国外においても満足すべき測定方法はない。各症例における被曝線量の計測は急務である。しかしながら、線量の測定には標準となるファントムと計測のプロトコールが必要であり、それは簡便であることが望ましいが、臨床に用いるに十分な画質の担保も必要である。これらを解決すべく、本研究において頭部ファントムの作成を行った。空間分解能の計測以外の面では満足すべきものが作成されている。研究の目的は頭部ファントムの完成と計測のプロトコールの完成であり、それはほぼ完成の域に達した。それらを用いた計測法の普及については携帯式のこのファントムを他施設において実際に使用し、利用可能であったことを確認し得た。 昨年度に作成した頭部ファントム(京都科学社製)を用いた皮膚線量計測におけるスキンドーズモニタ(SDM)、ガラス線量計、空中線量計測器との関連性がほぼ明らかとなったので、SDMを主体とした計測方法を完成し、その計測方法が本学のみならず、他施設においても計測ができる方法であることを証明した。その際にこの計測方法の利点および欠点を聴取し、可能な限り簡便なものとして多くの施設での使用が可能なものとすべき点を確認した。最終的にはICRPのPubl.85 "Avoidance of Radiation Injures from Medical Interventional Procedure"に準拠できる本邦における標準計測法として活用するには、より多くの施設の協力を得る必要があることも明らかとなった。 携帯できるシステムとし,計測法をブックレットとしたので、近隣の施設および関東の施設における線量測定を実施しえた.このシステムが十分に機能することは実証できたと考える.得られた結果は被曝線量が多い施設と少ない施設とで3倍の開きがあり,エックス線照射の条件設定には問題があることも浮き彫りになり,今後の課題と思われた。
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