2004 Fiscal Year Annual Research Report
移植肝幹細胞生着における血管新生・微小循環構築の意義 - 血管内皮前駆細胞を中心に
Project/Area Number |
15591324
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助教授 (90235367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 秀彰 秋田大学, 医学部, 助手 (10323148)
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Keywords | 肝幹細胞 / 肝微小循環 / 血管新生 / 虚血耐性 / HIF-1 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は移植肝幹細胞生着における微小循環構築の意義を明らかにすることであるが、昨年に引き続いて肝幹細胞である肝上皮性細胞(LEC)の低酸素耐性とその機序、および血管新生との関連が深いhypoxia inducible factor (HIF)-1発現などについて検討した。 1.SD系ラットから分離・継代維持したLECを用いた。酸素吸収剤存在下の密封低酸素状態(4時間以降PO2 53mmHgの定常低酸素)で18時間培養し、細胞viabilityの変化をMTT法とトリパンブルー法で検索した(N=5)。また虚血性障害に対する細胞保護効果が示唆されているHSP-72およびヘムオキシゲナーゼ(HO)-1発現をウェスタンブロット法で検索した。その結果、低酸素18時間後でも97%の生細胞比率が保たれ、MTT値は40%上昇することからむしろ細胞増殖が示唆され、LECの低酸素耐性が確認された。ウェスタンブロット法では、HSP-72については関与を示唆する成績は得られなかったが、培養中経時的にHO-1発現が増強したことからHO-1発現が低酸素耐性に関与する可能性が示唆された。 2.LECを同様の18時間低酸素下培養した場合のHIF-1α発現をウェスタンブロット法で検索したが、その発現増強は確認できなかった。しかしHIF-1α検出のタイミングなど再考を要するため、再度検索を行う予定である。 HIF-1αが血管新生増殖因子産生を促すとの報告は多いが、細胞移植時のHIF-1α発現と血管新生との関連はほとんど解明されていない。移植細胞だけでなく移植細胞周辺の細胞がHIF-1αや血管新生増殖因子を産生する可能性もあることから、今後この点に関する組織レベルでの研究を行い明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)