2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591338
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西尾 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30345897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 高司 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30311715)
梛野 正人 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20237564)
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80126888)
湯浅 典博 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00303610)
新井 利幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335041)
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Keywords | 肝不全 / 高ビリルビン血症 / ステロイド / デキサメサゾン / 胆汁 / ラット分離還流肝 / 重炭酸イオン / glibenclamide |
Research Abstract |
術後高ビリルビン血症の予防として,術前よりステロイド投与を行う報告がなされていたが,正確な基礎的データの裏付けはなかった。今回,その定量的,基礎的評価法として,ラット分離還流肝モデルを用い以下の結果を得た. まず,肝還流24時間前,デキサメサゾン(1.6mg)を腹腔内投与し,対照群と比較した.その結果,有意な胆汁流量の増加を認めた. 還流実験終了時の胆汁流量(mean±SD) 2.495±0.299μL/min/g rat liver wt デキサメサゾン投与群 2.152±0.083μL/min/g rat liver wt 対照群 P=0.0162有意差あり. この胆汁流量増加分は,胆汁中の重炭酸イオンの増加が寄与していることが分かっている.そのため,胆汁排泄に対する重炭酸イオンのdriving forceの程度を評価するため,Glibenclamideを経門脈的に投与し,対照群と比較した.そしてGlibenclamide投与により,胆汁流量は約1.7倍に増加することを確認した. 還流実験終了時の胆汁流量(mean±SD)(還流液中に胆汁酸は非添加) 1.765±0.239μL/min/g rat liver wt Glibenclamide 10μM投与群 1.064±0.610μL/min/g rat liver wt 対照群 さらに,胆汁中の重炭酸イオン排出量は,対照群に比し,約3倍になることを確認した. 56.7±7.25nmol/min/g rat liver wt Glibenclamide 10μM投与群 17.3±2.96nmol/min/g rat liver wt 対照群 今後,ステロイド投与群に関してもデータを集積し,この胆汁中重炭酸イオンの役割に関しても検討を重ねる予定である.
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[Publications] Norimizu S, et al.: "Carbon monoxide stimulates mrp2-dependent excretion of bilirubin-IXalpha into bile in the perfused rat liver"Antioxidants and Redox Signaling. 5(4). 449-456 (2003)
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[Publications] 藤井 公人: "硫化水素の胆汁分泌調節作用とその生理学的意義"G.I.Research. 11(4). 350-351 (2003)