2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌抗原MUC1ムチンを標的にした樹状細胞ワクチン癌免疫療法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
15591340
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
紺谷 桂一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90314153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 則明 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40303771)
澤井 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60335172)
藤野 昇三 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10209075)
西 崇男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10362378)
白石 昭一郎 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30283568)
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Keywords | MUC1ムチン / 樹状細胞 / ワクチン / 癌免疫治療 |
Research Abstract |
我々は癌患者末梢血リンパ球より4種類の癌細胞株を用いて、in vitroでMUC1特異的細胞障害Tリンパ球(CTL)誘導を試みた。MUC1強陽性細胞をstimulatorに用いた場合、responder細胞はapoptosisに陥り培養開始2週以内にすべて死滅した。また、MUC1弱陽性あるいは陰性細胞を用いた場合、responder細胞は増殖したがMUC1特異性は示さなかった。この混合リンパ球腫瘍細胞共培養でMUC1強陽性stimulatorに自家樹状細胞を添加するかあるいはB7-1/MUC1発現stimulatorを用いることによって、誘導CTLは増殖するとともにMUC1特異的応答を示した。癌細胞のホスト免疫応答からの回避手段として、native MUC1を介したリンパ球のapoptosis誘導が考えられ、この回避はB7-1からのシグナルにより抑制されると考えられた。 したがってMUC1を標的とする癌免疫治療の実施には、B7-1発現樹状細胞ワクチン療法あるいはB7-1遺伝子移入MUC1陽性腫瘍細胞ワクチン療法が有効であろうと示唆された。これらの結果に基づいて、癌患者に対する樹状細胞ワクチン療法の臨床パイロット試験を行った。手術や化学療法などの治療非適応あるいは治療無効癌患者に対し、癌抗原パルス自家樹状細胞を2週間隔で皮下接種した。MUC1陽性例に対してはMUC1コアペプチドを、陰性例に対しては腫瘍lysateをパルス抗原に用いた。MUC1陽性例では9例中3例で治療効果が認められたのに対し、陰性例では効果は認められなかった。MUC1を標的とした樹状細胞ワクチン療法は今後広く臨床応用されうると期待された。
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Research Products
(1 results)