Research Abstract |
本年度前半は昨年度に作製調整したCEA発現アデノウイルスベクターAxCACEA, GM-CSF発現ベクターAxCAGM-CSF, IL-12発現ベクターAxCAIL-12を用いてCEA transgenic miceにおける癌ワクチン療法の検討を行った. 1.CEA transgenic miceにおける脾細胞を用いた細胞傷害活性に関する検討 Group 1:PBS, Group 2:DC-AxCALacZ(LacZ遺伝子導入DC接種群),Group 3:DC-AxCACEA, Group 4:DC-AxCACEA/GM-CSF/IL-12にわけ(各群n=5)CEA transgenic mice背部皮下にDCを接種し,14日後に脾臓を採取し脾細胞をEffector細胞とした細胞傷害活性を^<51>Cr-release-assayにて行った.CEA感染DC接種にて得られた脾細胞はMC38-CEAに対し強い細胞傷害活性を示すが,MC38やMC38-BGPには傷害活性を認めず,CEA特異的な傷害活性を示した.またCEA単独感染DCと比較してCEA, GM-CSF, IL-12併用DC接種群は有意に強力な細胞傷害活性を認めた. 2.CEA transgenic miceにおける皮下腫瘍モデルに対する抗腫瘍効果に関する検討 MC38-CEA(1×10^6個)をマウス(各群n=5)の背部皮下に移植し,5日後に次の5つの治療法を行い,35日目の皮下腫瘍の大きさとマウスの生存期間を検討した.Group 1:PBS, Group 2:DC-AxCALacZ, Group 3:DC-AxCACEA, Group 4:DC-AxCACEA/IL-12, Group 5:DC-AxCACEA/GM-CSF, Group 6:DC-AxCACEA/GM-CSF/IL-12.Group 3,4,5,6はコントロール群と比較して有意に強力な腫瘍増殖抑制効果を認めGroup 6のCEA, GM-CSF, IL-12併用群では5匹中4匹に腫瘍完全消失を認めた. 本年度後半はCEA遺伝子導入ヒト末梢血由来DC用いたin vitroでのCEA特異的CTLの誘導実験を行った.CEA感染DCをstimulator,自己PBMCをresponderとして刺激し,3回刺激にてCTLを誘導.自己LCLにAxCACEAを感染させたLCL-CEA, LCL-LacZをTargetにした^<51>Cr-release-assayにて細胞傷害活性を検討した.DC-AxCACEAはLCL-CEAを強く傷害するのに対し,LCL-LacZを認識せずCEA特異的なCTLが誘導された.またこのCTLはHLAA24陽性癌細胞株のうちCEA産生株のみを選択的に傷害し,CEA特異性はヒト癌細胞株でも証明された.現在はヒトGM-CSF遺伝子発現アデノウイルスベクターを作製中であり,来年度はCEA遺伝子GM-CSF遺伝子同時導入による抗腫瘍効果の増強効果を検討する予定である.
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