2003 Fiscal Year Annual Research Report
2つの血管新生抑制遺伝子と自殺遺伝子との融合遺伝子による乳癌遺伝子治療効果の増強
Project/Area Number |
15591368
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
柴田 雅朗 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (10319543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
森本 純司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90145889)
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Keywords | Angiogenesis / Endostatin / Angiostatin / Mammary carcinoma / Cancer gene therapy / Electrogene transfer / Mouse / Human umbilical vascular endothelial cell |
Research Abstract |
【In vitro study】 pEndo (endostatin),pAngio (angiostatin)および両遺伝子を融合したpEndo:Angioの各ベクターが機能しているか否かを確認するため、Primary culture細胞のHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)に対して、Nucleofector(amaxa社)を用いて遺伝子導入し、Matrigelにて3次元培養し、血管腔形成能を見た結果、いずれのベクターとも強い血管腔の形成阻害を示した。更に、pEndoおよびpEndo:Angio導入細胞ではDNA合成能の抑制が観察された。また、乳癌細胞株BJMC3879にも同様に遺伝子導入し、乳癌細胞の増殖に対する効果も検討した結果、pEndoおよびpEndo:Angioを遺伝子導入した群では、生存細胞数の有意な減少が観察された。また、recombinantヒトendostatin(rhEndo)あるいはangiostatin(rhAngio)をHUVECに作用させ効果を比較検討した結果、HUVECに対して、rhEndoは100ng/mlで、rhAngioでは4000ng/mlで細胞増殖を明らかに抑制した。 【In vivo study】 《腫瘍内でのGFP遺伝子発現》BALB/c系雌マウスの鼠径部皮下にBJMC3879乳癌細胞を移植し、腫瘍径が0.5cm時点でGFPの発現ベクターのpEGFP-N1をElectrogene transferした。条件は100Voltで、1パルスが20msecの長さで8回繰り返す様に設定した。遺伝子導入後、経時的に腫瘍内のGFP蛍光を測定した結果、2日後より明らかな発現が観察され、3日および7日の間で有意な増加が観察され、以降減衰を示したが、14日後においても弱いながら発現が示された。 《腫瘍増殖抑制実験》BALB/c系雌マウスに上述の如くBJMC3879細胞を移植し、腫瘍径が0.2cm大に達した時点で、腫瘍内にpEndo、pAngio、pEndo:Angioおよび空ベクターを注入し、Electrogene transferした。この処置を週1回の割合で7週間行った結果、pEndoおよびpEndo:Angio群で、実験開始の1週後より有意な増殖抑制が示され、実験終了時まで観察された。pAngio群では7週において有意な抑制が示された。現在、病理組織標本および電顕標本を作製中であり、今後、病理組織学的に転移の有無を詳細に検討するとともに電顕的に腫瘍内の微小血管内皮を解析する。また、血管内皮のマーカーであるCD31抗体を用いて、乳癌組織における微小血管を定量する。更に、屠殺時にBrdUの腹腔内投与を行っているので、乳癌細胞のDNA合成、Apoptosisについても定量する。
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