2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖変異を利用した血清サイログロブリン測定による新しい甲状腺癌診断法の開発
Project/Area Number |
15591370
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Research Institution | Kagawa Prefctural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
加藤 亮二 香川県立保健医療大学, 保健医療学部・臨床検査学科, 教授 (00233833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 紀子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部・臨床検査学科, 講師 (80321264)
天川 雅夫 香川県立保健医療大学, 保健医療学部・臨床検査学科, 助手 (80331867)
亀子 文子 信州大学, 保健学科, 助手 (60126670)
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Keywords | 甲状腺癌 / 糖鎖変異 / レクチン / サイログロブリン / 血清 / 穿刺液 |
Research Abstract |
甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞癌)の簡便な診断法を開発するため、癌化に伴うサイログロブリン(Tg)分子内の糖鎖変異に着目し、糖鎖を認識するレクチンと抗Tgモノクローナル抗体を用いる測定系を組立てた。測定方法はLCAレクチンと抗Tgモノクローナル抗体を用いた競合法により、レクチンが反応したTg濃度を求め、総Tg濃度に対するレクチン反応性Tg濃度比をLCA Lectin reactive Tg(%)として算出した。サンプルは良性腫瘍組織と甲状腺癌組織および血清検体である。 甲状腺組織をサンプルとした時、甲状腺癌と良性疾患のLCA Lectin reactive Tg(%)の結果は甲状腺癌で良性疾患に比較し有意に低下していた。特に乳頭癌では顕著であった。同様に血清検体を用いて測定したところ、甲状腺癌では健常者や良性腫瘍に比べて組織と同じように低下する傾向を示した。この結果を血清Tg濃度別(Tg値が正常範囲、50-200、200ng/ml以上)に分類して解析すると、すべての範囲内で甲状腺癌は良性腫瘍に比べLCA Lectin reactive Tg(%)は有意に低下した。また、細胞診時に行なう穿刺液を用いて行なっても組織や血清と同様に癌ではLCA Lectin reactive Tg(%)は低下していた。以上のことからTg分子内の糖鎖異常をレクチンと抗Tgモノクローナル抗体を用いて測定する本測定法は、良性腫瘍と甲状腺癌の鑑別のための新たな診断法となる可能性が示唆された。今後は濾胞癌と濾胞腺腫の症例を増加して、より鑑別性の高い測定系の構築を目指す。
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Research Products
(1 results)