2004 Fiscal Year Annual Research Report
胃ペースメーカーナビゲーションシステムの開発に関する臨床的研究
Project/Area Number |
15591373
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
伊藤 正直 Akita University, 医学部, 助手 (80282169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 昇 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60006674)
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Keywords | 胃電図 / ペースメーカー |
Research Abstract |
1)胃ペースメーカーは、胃上部大彎側に存在しカハール神経細胞からなるとされてきたが、その局在を同定した報告はない。しかし、術中に胃電図をリアルタイムに測定し周波数解析できれば、ペースメーカーの局在を術中検索し、癌の手術でも腫瘍との位置関係により可及的に温存でき、胃切除後残胃機能温存につながると考え研究を開始した。 2)「術中胃電図検査」は、学内倫理委員会に申請し承認が得られた。一方「術中胃電図測定システム」は、文献から得た胃壁で直接誘導された波形を模擬波形として設計し、数種類の電極ユニット、リアルタイムに局在診断するためのプログラムも含め本学工学資源学部の協力で作製した。 3)これを受け、胃全摘術以外の胃切除術予定患者を対象に術中胃電図検査のインフォームドコンセントを得、同意書を作製した。術前に経皮的胃電図測定システムで胃電図を測定し胃ペースメーカーから発生すると考えられる3cpmの波型が出現することを確認しておいた。開腹に際し胃切除前に、電極ユニットを胃に密着させ電位変化を測定した。データは、データレコーダーに記録すると伴に、パソコンに転送しFFT解析と局在診断をリアルタイムに行えるようにした。 4)このシステムで術中測定を開始したが、基線の揺れが予想以上に著しく、当初、安定した測定ができなかった。そこである期間、測定を中止し、設計回路の見直しと改造による機器の再検討を行った。その結果、基線の揺れは、測定電位の増幅率が高いため生体の定常電位の変動に伴う影響が大きく反映されたものと推定された。そこで、電位安定化回路を追加作製したところ改善され、電位変化が測定できるようになった。しかし、現在のプログラムでは、局在を特定できるまでに至っておらず、その原因として測定できる電位変化が少なくプログラム上必要な特定の波形が識別できないためと推定された。 5)将来的展望として、電極ユニットの高感度化、測定電位が微弱でも信号源を特定できるようなプログラム改編が必要と考えられる。
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