2004 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレスによる細胞死制御による肝臓外科の適応拡大に関する研究
Project/Area Number |
15591401
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 助手 (80359801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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Keywords | 肝虚血再灌流 / bile duct ligation / 小胞体ストレス / アポトーシス / caspase-12 |
Research Abstract |
【背景】肝虚血再潅流やbile duct ligation(BDL)後のアポトーシスは、従来報告されているDeath receptorおよびミトコンドリアを介する経路を遮断しても完全には抑制されないことから、最近注目されている第3のアポトーシス経路である小胞体ストレスを介する経路が関わっている可能性がある。 【目的】マウス肝の虚血再灌流障害およびBDLによる障害における、小胞体ストレスシグナルによるアポトーシスの関与を明らかにする。 【方法】(1)6週齢のC57BL/6マウスを用い70%肝虚血90分後再灌流モデルマウスで、再灌流0、3、6、12、24、36、48時間後の肝虚血葉において、GRP78、やGADD153の発現、およびcaspase-12の活性化につきWestern blotとRT-PCRにて検討した。(2)BDLマウスにおいても24h、48h後に同様の検討を行った。 【結果】(1)虚血葉では再灌流3h以降でTUNEL陽性細胞を確認、再灌流後直後からGADD153、12h〜24hからGRP78、caspase-12のmRNAの発現上昇を認めた。western blottingにて3h後からのprocaspase-12タンパクの減少とGADD153の上昇を認めた。(2)BDLマウスでは、24h以降でTUNEL陽性細胞の出現、GRP78、GADD153のmRNAの上昇やGRP78、GADD153タンパクの増加が経時的に増強していることが確認され、procaspase-12タンパクの減少も認めた。 【考察】肝虚血再潅流障害および閉塞性黄疸による肝障害では、小胞体ストレスシグナル増強によるGADD153を介して誘導されるアポトーシスが関与している可能性があることが初めて明らかにされた。今後、GADD153ノックアウトマウスをもちいて、小胞体ストレスシグナルによるアポトーシスの重要性を明らかにし(実験中)、論文投稿予定である。
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Research Products
(6 results)