2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌手術における血中癌細胞播種の実態とその臨床的意義の解明
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15591406
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
池口 正英 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (20193188)
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Keywords | 胃癌 / 微少転移 / real-time RT-PCR法 / スキルス胃癌 / 腹腔鏡下腹腔内化学療法 / IL-2 / 腹腔内免疫化学療法 |
Research Abstract |
研究の目的:胃癌の胃切除後に血行性転移の高危険群が判定できれば、術後早期に選択的に補助化学療法を開始し、予後を改善させることも可能と期待される。本研究の目的は、胃癌症例で、血中に出現する癌細胞の臨床的意義を明らかにすることである。 平成16年度の研究成果: real-time RT-PCR法を用いて、手術前後の末梢血中癌細胞数を測定した。術前には全例、血中に癌細胞を認めた例はなかったが、術後には40%に血中に癌細胞を検出した。血中の癌細胞は術後2日以内に末梢血液より消失した。治癒切除後再発は、術後に癌細胞が血中に出現する例で有意に少なかった。以上より、胃癌手術により、癌細胞が血中に播種される危険性があるが、末梢血液中に播種された癌細胞は、術後速やかに血液中から排除される。末梢血液中に癌細胞を認めた症例の予後はむしろ良好で、免疫学的な感作が作用している可能性が示唆された。この結果を平成16年の外科学会総会で発表し、現在Surgery Today誌へ投稿中である。 進行スキルス胃癌の10例に対し、CDDPを用いた腹腔鏡下腹腔内化学療法(IP)を行った。real-time RT-PCR法を用いて、IPの前後における腹腔内癌細胞数の変化と治療効果を比較した。IP療法では、CDDPを計3回腹腔内に投与した。CDDP投与前、IP治療終了後の翌日に腹腔洗浄液を採取、腹腔内癌細胞数を測定した。IP前の腹腔鏡下腹腔内洗浄中には全例に癌細胞をreal-time RT-PCRで確認した。IP後に90%以上の減少率を示した例は6例で、平均生存月数は、90%以上の減少例で8.3ヶ月、90%以下の減少例で11.5ヶ月で、癌細胞数の減少率と予後とは関連を認めなかった。また,IP後IL-2 mRNAの発現レベルが上昇した症例の予後は若干延長した。腹腔内に癌細胞が多い症例では、IL-2 mRNA発現が抑制されており、IL-2を用いた腹腔内免疫化学療法の可能性も示唆された。
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Research Products
(4 results)