2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝予備能把握法の確立と肝切除後残存肝機能の分子生物学的解析
Project/Area Number |
15591417
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
千々岩 一男 宮崎大学, 医学部, 教授 (90179945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 真弘 宮崎大学, 医学部, 講師 (40264379)
牧野 一郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (30347059)
自見 政一郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (90363598)
前原 直樹 宮崎大学, 医学部, 助手 (30381065)
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Keywords | 閉塞性黄疸 / 大量肝切除 / 肝不全 / トランスポーター / 門脈結紮 |
Research Abstract |
この2年間の研究内容。 1)閉塞性黄疸ラットモデルでのトランスポーターの発現 今回の科研のテーマの1つである総胆管結紮閉塞性黄疸モデルを用い、胆管結紮後3日から28日までのタイムコースをとり血液、肝臓を採取した。胆管閉塞後、排泄系トランスポーターmrp2の発現は低下し、mrp3の発現は上昇した。これらの変化は28日後も持続していた。取り込み系トランスポーターoatp,ntcpの発現は胆管結紮後早期に低下し、28日後も低下していた。毛細胆管への排出に関わるmdr2の発現に変化はなかった。黄疸期間により、これらトランスポーターのmRNAの発現変化が異なることが示唆され、現在蛋白発現を検討中である。 2)大量肝切除ラットモデルでの肝予備能 70%肝切除と急性肝不全モデルである90%肝切除をラットで行い、胆汁流量、胆汁酸排泄、トランスポーターの発現を検討した。90%肝切除群においてmrp2の発現は術後低下し、mrp3、bsepの発現は術後上昇したのに対し、70%肝切除後には逆の変動を示した。取り込み系トランスポーターのntcp,oatpの発現は両群とも術後低下し、差は認めなかった。70%肝切除群と90%肝切除群の間で排泄系トランスポーターmrp2,mrp3の発現変化が異なり、術後肝不全発症の早期指標の一つとなる可能性が示唆され、現在更に検討している。90%肝切除後には胆汁流量、胆汁中胆汁酸排泄は有意に低下しており、現在論文として投稿中である。 3)門脈塞栓後および虚血・再潅流後の肝再生と肝障害の分子細胞学的解析 門脈結紮モデルを作成し、肝再生葉と萎縮葉のサイクリンD1の発現の違いが、肝再生・萎縮に関係することを報告した。(研究発表1)また、虚血・再潅流肝障害の機序の一部を報告した(発表2)。
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Research Products
(2 results)