2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓死肝移植モデルにおけるトロンボモジュリンの阻血再灌流障害抑制効果
Project/Area Number |
15591419
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
白石 祐之 琉球大学, 医学部, 助教授 (00264482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮国 孝男 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (00295320)
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Keywords | トロンボモジュリン / 阻血再灌流障害 / アデノウィルスベクター / 遺伝子治療 / 温阻血障害 / 肝臓移植 / 心臓死 |
Research Abstract |
血管内皮細胞に発現するトロンボモジュリン(Thrombomodulin : TM)は、ヘパリンと並ぶ生体内の強力な抗凝固蛋白である。 心臓死肝臓移植においては、肝臓移植片の温阻血障害により、再灌流後に類洞内皮細胞膜上のTMが多量に喪失するため、肝臓移植片内の過凝固状態が惹起され、これが肝臓移植片の機能不全の原因となるとされている。 アデノウィルスを用いた遺伝子導入は、静脈注入されたアデノウィルスベクターが肝臓特異的に集積することから、肝臓への高効率の遺伝子導入が可能である。我々は、アデノウィルスベクターを用い、ヒトTM遺伝子の機能ドメイン(hTM)をラット肝臓へ導入している。 hTM遺伝子を導入した肝臓でのhTM mRNA発現に関してはRT-PCRで、hTM蛋白発現に関してはモノクローナル抗体を用いた免疫染色で確認し、いずれも高効率の発現が得られることを確認した。特に免疫染色では、hTM蛋白が肝細胞のみではなく中心静脈周囲の類洞内皮細胞にも発現していることを確認した。 現在は、ラット肝温阻血再灌流障害モデル(30分間の全肝阻血を行い、その後阻血を解除する)において、hTM遺伝子導入による阻血再灌流の障害軽減効果を検討中である。具体的には、コントロール群としてLacZ遺伝子を用い、肝障害の指標として、血清肝逸脱酵素、肝組織像、フィブリン沈着などを分析中である。
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