2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591425
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
舟橋 整 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10347411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 守嗣 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (10227184)
竹山 廣光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00216946)
真辺 忠夫 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80127141)
沢井 博純 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40336681)
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Keywords | 膵臓癌 / 神経浸潤 / GDNF / インテグリン / NF-κB |
Research Abstract |
膵癌の浸潤機構においてグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)刺激による接着因子インテグリンの発現、誘導とシグナル伝達について基礎的研究を行った。 ヒト膵癌細胞株として、MIA PaCa-2、BxPC-3の2種を使用した。RT-PCR法、Western Blotting法によりGDNFのレセプターであるRETおよびGFRα-1の発現を確認した。間質の構成成分(Matrigel、laminin、fibronectin)と膵癌細胞との浸潤能のGDNF刺激による変化を検討した。膵癌細胞におけるインテグリンの発現をFACScanにより確認した。GDNF刺激によるインテグリンの発現の変化をcell-ELISA法によって検討した。各細胞において転写因子NF-κBの染色を行いGDNF刺激の有無における核内移行の差を検討した。 今回、MIA PaCa-2、BxPC-3、2種の膵癌細胞において、GDNFのレセプターの発現をmRNAレベル、蛋白レベルで確認した。FACScanにより、各種インテグリンの発現を、またcell-ELISA法において、GDNF刺激によりインテグリンの発現の増加を確認した。浸潤能、接着能は、抗Ret抗体、抗GFRα-1抗体によって抑制された。 今回検索しえた2種の膵癌細胞におけるインテグリンによる浸潤、接着においてGDNFが大きな役割を果たし、NF-κBがその細胞内シグナル伝達に寄与していることが示唆された。 今後さらに、細胞数を増加させ同様の実験を行い、また転写因子NF-κBを抑制することにより浸潤能、接着能が変化するかを検索する。その結果としてGDNFからインテグリンにいたる経路上にNF-κBが関与するのか、またNF-κBの抑制が膵癌細胞の浸潤能の抑制につながらないかを検索する。
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