2003 Fiscal Year Annual Research Report
肛門機能再建における陰部神経再生の役割およびその最適条件の研究
Project/Area Number |
15591434
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岡田 真樹 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40254924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 久永 自治医科大学, 医学部, 講師 (20316532)
遠藤 則之 自治医科大学, 医学部, 助手 (30296090)
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Keywords | 新肛門 / 肛門機能再建 / 直腸癌 / 人工肛門 |
Research Abstract |
本年度は、以前に新肛門の手術をされ、長期成績が検討できた20名の臨床経過を詳しく検討した。その結果、高齢者では3期的な手術が安全面で推奨されること、また、若年者では高齢者よりQOLが高く、また、新肛門の受け入れが良く、手術合併症も少ないことから、手術侵襲の点でも2期的な手術が推奨されることを見いだした。また、癌に対する長期再発調査では、新肛門群で肛門再発が温存群に比較し有意に良好な成績を示した。その結果、多臓器合併切除が必要な患者にも適応を限る必要はないが、一方、安全性の面から、若年者においても高齢者同様、2期手術より3期手術が適当であることが推察された。 以上の検討から、従来適応としなかった肝臓転移合併例においても、癌の全切除が可能で治癒の可能性がある症例であれば、患者の希望により新肛門手術を行うこととした。その結果、本年度は、従来は適応から外した症例としては2症例で、新肛門手術をした。その2例は、いずれも肝臓転移を合併する40歳代の症例であった。 肝臓合併切除(1例は肝臓50%切除、1例は肝臓20%切除)を伴うマイルズ手術後の新肛門を作成する手術を2例に施行し、良好な術後経過を得た。また、これらのこれらの症例では化学療法とのコンバインを計り、新肛門と化学療法という新たな問題の解決にも努力した。 また、いくつか手術法の改善をおこない、より完全な術式へちかづけるような努力を行った。それらの統計的な検討は今後の課題である。
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