2003 Fiscal Year Annual Research Report
結腸輪状筋を用いた内肛門括約筋再建手術の生理学的機能分析と術式の確立
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15591444
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高尾 良彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50206710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 明彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80349612)
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Keywords | 内肛門括約筋再建 / 三次元位置認識装置 / 結腸輪状筋律動収縮 / 直腸肛門排便運動 / 結腸輪状筋補強モデル |
Research Abstract |
本年度は本研究の予備実験として,ビーグル成犬において全身麻酔下に肛門管内静止圧,肛門括約筋律動波を計測した.またネオスティグミン刺激による排便動作での直腸内容物排泄をシネデフィコーグラフィーで録画し,磁場発生装置を直腸内に留置して腸管内三次元位置認識を行ってその内容物移動を三次元で評価して,同時に結腸輪状筋の収縮をストランゲージを用いて評価するとともに内容物排泄の加速度測定を行って肛門管の開大と結腸輪状筋の運動に由来する排泄の関係を検討し,結腸輪状筋補強モデルを試作した. 今回,既存のDantech社製インフュージョンポンプとScinectics社製内圧測定装置を用いてstation methodにて観察したため,括約筋律動波の観察できる範囲が1cmと短く,肛門管長と一致せず,本実験の反転結腸律動波測定には不十分と判断した.来年度はStarmedical社製トランスデューサー計測を併用し,今回の予備実験で行ったstation methodとpull-through methodを同時に行い,補正する. 結腸内容物排泄では,全身麻酔下開腹状態でネオスティグミン1-2mgを用いて排泄動態が観察でき,ストランゲージにて結腸輪状筋収縮と排泄の関係が確認できた.しかし内容物移動の開始や加速度,肛門管の開大は結腸内磁場発生装置の大きさで異なり,来年度は糞便の性状を考慮した大きさの異なる2者による比較検討も行う必要があると考える. 粘膜を抜去して輪状筋を3cm反転し肛門に吻合する結腸輪状筋補強モデルを作成した.作成直後は結腸輪状筋律動波が観察できたが,経時的に消失して1週後にはほとんど律動波は反転部分の口側で消失した.これは露出した筋肉組織に対する周囲組織の組織反応に由来すると考えられ,来年度はこの露出部分を腹膜またはメチルセルロース膜にて保護するモデルを作成して検討する.
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