2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生肝と肝細胞癌におけるエネルギー代謝調節機構の相違に関する研究
Project/Area Number |
15591453
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小竹 克博 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50351101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 吉治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30162738)
野浪 敏明 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80189422)
黒川 剛 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50291406)
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Keywords | ミトコンドリア / 再生肝 / 肝細胞癌 / CPT-1 / PPAR-α |
Research Abstract |
肝細胞の複製過程におけるエネルギー産生のためにはミトコンドリアにおける脂肪酸のβ酸化が重要であるが、ミトコンドリアへの脂肪酸の輸送を触媒する酵素であるcarnitine palmitoyltransferase-1(CPT-1)の遺伝子を制御しているのはperoxisome proliferator-activated receptor α(PPAR-α)である。PPAR-αは、ステロイド受容体スーパーファミリーに属する核内受容体で肝に最も多く分布している。PPAR-αは肝細胞における脂質代謝経路の多くの酵素を転写レベルでの調節を行っていることが知られているが、近年脂質代謝のみならず糖代謝、アミノ酸代謝を含めた極めて多岐にわたる代謝調節を司っていることが明らかになってきている。一方、癌細胞では解糖系が亢進していることが明らかにされている。したがってエネルギー代謝系において再生肝と肝細胞癌は異なる調節機構が働いていることが予想される。そこで、肝切除時に採取したそれぞれの肝組織を用いてCycline D1,PPAR-α,CPT-1のmRNAの定量とCycline D1の定量、CPT-1の活性測定を行う。ヒト肝組織ではこれらのmRNAの発現量が比較的低いと考えられるのでRT-PCR法を用いて測定を行う。RT-PCR法を行うのに必要なプライマーは今回あらたに作成した。Cycline D1の定量は特異的抗体を用いてWestern blot法により定量する。CPT-1の活性測定は困難であるため3-ヒドロキシアシル-CoA脱水素酵素の活性を分光学的方法により測定する。
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