2003 Fiscal Year Annual Research Report
幽門保存胃切除後の胃運動能に関する研究-幽門輪からの切離距離による検討-
Project/Area Number |
15591455
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中根 恭司 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60155778)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山道 啓吾 関西医科大学, 医学部, 講師 (70291804)
|
Keywords | 幽門保存胃切除術 / 迷走神経 / 胃運動能 / 胃排出能検査 |
Research Abstract |
研究課題を始めるにあたり、まずイヌの胃排出能検査を確立する必要がある。 ^<13>C呼気ガス診断を応用した^<13>C呼気試験法胃排出能検査(以下^<13>C法)は非侵襲的で簡便に行える多くの利点を有した新しい臨床的胃排出能検査として注目されており、本邦でも多くの施設で導入されている。そこでわれわれは、gastrointestinal motilityのモデルとして頻繁に使用されるビーグル犬に対し、この^<13>C法が施行可能かどうかを検討した。 (対象と方法)対象は健常ビーグル犬5匹(雄・体重9.6〜12.9kg)とした。方法は試験開始前に犬呼気収集マスクを用いて呼気採集を行った後試験食を投与、摂取後呼気を液体食は0〜60分まで5分間隔、60〜180分までは15分間隔、180〜300分30分間隔で固形食では摂取後0〜180分は15分間隔、180〜360分まで30分間隔で採取した。試験食は液体(ラコール200ml+^<13>C-Acetate 50mg)、固体(ドッグフード200kcal+卵黄に^<13>C-Octanoic acid50mgを混入したスクランブルエッグ)とした。収集した呼気はUBiT IR300を用い測定し、測定結果からGhoosらの方程式にならい各パラメーター(Tmax T1/2 GEC)を算出した。各犬とも6回の試験を施行しこの検査方法が実施可能か検討した。 (結果)^<13>CO2 excretion curveは測定値と理論値の間で液体、固体の試験食の場合も(r^2>0.90)相関した。また各パラメーターとそのCoefficient of variation(%)は、液体試験食ではTmax 0.75±0.08(h)、T1/2 1.16±0.17(h)、GEC 5.16±0.52でCVは各々10.7%、14.0%、10.1%であった。固形試験食Tmax 1.78±0.30(h)、T1/2 2.63±0.54(h)、GEC 3.35±0.49でCVは各々17.1%、20,0%、14.7%となった。^<13>C標識化合物の違いはあるが液状食が固形食より有意にTmax、T1/2は短く、GECは大きかった。またCV(%)はRIシンチグラフィーを用いた人での検討の結果と同程度であり、再現性もあると思われた。 今後更なる検討が必要と思われるが、ビーグル犬における^<13>C呼気試験法胃排出能検査は非侵襲的な胃排出試験として使用可能と考える。
|
Research Products
(1 results)