2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝切除術術後肝不全防止のためのHGF遺伝子治療が肝腫瘍に及ぼす影響に関する検討
Project/Area Number |
15591457
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
王 孔志 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80340967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30252018)
黒田 暢一 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20301658)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90340968)
岡田 敏弘 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (70351799)
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Keywords | 肝腫瘍 / 遺伝子治療 / HGF / HVJ-liposome / 肝不全 |
Research Abstract |
【目的】肝硬変患者は高率に肝癌を合併し予後不良である。我々はHGFのラット肝硬変モデルにHGF遺伝子を導入し有用性を報告し、肝硬変の臨床研究を検討している。そこでHGFの肝癌増殖への影響をin vitroとin vivoで検討した。【結果】1)HGF naked plasmid DNA(human HGF)をhydrodynamics-based transfection法でマウス、ラットへ遺伝子導入し,血漿中HGF濃度の経時的推移を検討した。血漿中HGF濃度は導入後12時間でマウス・ラット共にpeakを認め、3日間持続した。2)C57 BL/6マウス皮下にマウス肝癌細胞株Hep1Aを移植した皮下腫瘍モデルにhuman HGFを同法で導入し腫瘍体積を比較検討した。皮下腫瘍体積はHGF遺伝子導入で有意な差を認めなかった。3)WistarラットにDietylnitrosamineを飲水させ多発肝腫瘍を形成し、human HGFを同法で導入しHGFの肝腫瘍への影響をCTにて腫瘍体積を検討した。肝腫瘍モデルではCTで両群間の腫瘍体積に差異を認めなかった。4)western blot法でラット肝癌細胞株と化学的発癌肝腫瘍のc-met蛋白の有無とリン酸化を解析した。Western blot法でラット肝癌細胞株と化学的発癌肝腫瘍にc-met蛋白の発現を認め、そのリン酸化も認められた。5)ラット肝癌細胞株にrecombinantHGFを加え、その増殖変化を検討した。ラット肝癌細胞株にrecombinantHGFを加えるも、コントロール群に比し有意な差を認めなかった。さらに腫瘍の浸潤について検討したが差はなかった。【結語】HGFは肝硬変に対し線維化を改善させ肝細胞増殖作用を示したが、肝癌に対し増殖する増殖作用は認めず肝癌合併肝硬変に対するHGF遺伝子治療の安全性が示唆された。
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