2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591474
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
石黒 眞吾 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70212868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 成人 鳥取大学, 医学部, 講師 (30291462)
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Keywords | 内因性心筋保護因子 / 虚血再灌流障害 / カルシウムイオン過負荷 / preconditioning / 心保存 / 心筋保護 |
Research Abstract |
本研究は虚血による内因性心筋保護因子活性化と薬物による内因性心筋保護因子活性化が、心移植を想定した長時間心筋保護、すなわち長時間心保存に応用可能か否かを検討することを目的とした。これまで細胞レベルの研究でPKCが内因性心筋保護効果を促進し、心筋虚血再灌流障害を抑制することを証明してきた。その機序においてはPKCを長時間虚血前投与することにより、虚血再灌流時における細胞内カルシウムイオン過負荷を軽減し、カルシウムイオン過負荷によるアポトーシス誘発を軽減することによりものであることが証明された。 本年度においてはラット摘出心を用いて、このような内因性心筋保護因子活性化による虚血耐性獲得が長時間心保存にどのような影響を与えるかについて、長時間心保存前後の心機能変化の観点から研究をおこなった。 心機能評価はLangendorff灌流装置により、心機能を測定した。 まず虚血耐性獲得は短時間虚血および再灌流によるischemic preconditioningとした。単純虚血20分後再灌流の心機能は、有意にischemic preconditioningをほどこした群が施さない群よりも良好であった。単純虚血を細胞外液型の心保存液であるKrebs-henselite solution,心筋保護液である、St.Thomas solution,および生理食塩水で保存におきかえて、心機能を比較検討した。保存時間は2時間、4時間、8時間とした。2時間、8時間保存ではischemic preconditioningをほどこした群と施さない群とでは有意な差はなかったが、4時間保存においてはischemic preconditioningを施した群が有意に心機能が保たれていることが判明した。
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