2003 Fiscal Year Annual Research Report
制限増殖型アデノウイルス及びGFP遺伝子を用いた蛍光イメージングによる転移診断
Project/Area Number |
15591475
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤原 俊義 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00304303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 正彦 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
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Keywords | テロメラーゼ / アデノウイルス / hTERT / ウイルス療法 / 遺伝子治療 / 診断 |
Research Abstract |
アデノウイルスの増殖に関わるE1AおよびE1B遺伝子をテロメラーゼ構成成分の一つであり、その活性と相関するhTERT(human telomerase reverse transcriptase)プロモーターにより駆動することにより、癌細胞で特異的に増殖可能なアデノウイルス(Tumor-specific Replication-comptent Adenovirus : RAD)を構築した。また、オワンクラゲ由来の蛍光蛋白質であるGFP(Green Fluorescent Protein)をコードするGFP遺伝子を発現する非増殖型アデノウイルスベクター(Ad-GFP)を準備した。ヒト癌細胞にAd-GFP 0.1 multiplicity of infection(MOI)、TRAD 1.0 MOIで感染させると、24時間以内に蛍光顕微鏡下に顕著な緑色蛍光が観察された。一方、線維芽細胞などの正常細胞では、発色が認められなかった。したがって、Ad-GFP/TRAD共感染により癌細胞特異的にGFP発現を誘導することが可能である。次に、ヌードマウスの皮下にAd-GFP、TRADを8 x 10^6 plaque forming units(PFU)ずつ投与しても、GFP蛍光はみられなかった。しかし、ヌードマウスの皮下にSW620ヒト大腸腫瘍およびA549ヒト肺腫瘍を形成し、同量のAd-GFP/TRADを腫瘍内投与したところ、24時間以内にGFP蛍光が観察され、3-7日をピークに持続的なGFP発現が観察された。さらに、A549細胞をヌードマウスの胸腔内に投与して作成する胸膜播種モデルにおいて、Ad-GFP/TRADの胸腔内投与は肉眼的に確認できない微小播種結節を検出することができた。今後は、GFP蛍光を高感度にかつ肉眼的にマクロで検出するための高感度蛍光感知カメラ・システムを開発し、将来的な臨床応用の可能性について探る。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawashima, T., Fujiwara, T.et al.: "Telomerase-specific repiication-selective virotherapy for human cancer"Clinical Cancer Research. 10. 285-292 (2004)
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[Publications] Ohatani, S., Fujiwara, T.et al.: "Quantitative analysis of p53-targeted gene expression and visualization of p53 transcriptional activity following intratumoral administration of adenoviral p53 in vivo"Molecular Cancer Therapeutics. 3. 93-100 (2004)
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[Publications] 藤原俊義, 田中紀章: "アデノウイルスを用いた遺伝子治療"Surgery Frontier. 10. 372-379 (2003)
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[Publications] 藤原俊義, 田中紀章: "複製可能ウイルスを用いた遺伝子治療の進歩:制限増殖型アデノウイルス"分子細胞治療. 2. 249-255 (2003)